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ユウ「おっ、俺の知ってるジャック・ハートと皆が話してるジャック・ハートって、ち、違う気がうんじゃないかな…?」
と、だらだらと汗を流しながら目を泳がせ、嘘をついてますと言わんばかりな態度でなんとか話を逸らそうと試みる。
デュス「そうなのか?」
エース「なぁんだ。ユウの世界にも知られてんのかと思ったじゃん!」
セベク「確かに魔法史のマの字も知らないユウが知っているというのは可笑しな話だ」
バカでよかった。
エペル「ちなみにユウくんの知ってるジャック・ハートってどんな人?」
ユウ「えっ………お、俺の世界のカードゲームのキャラクター、だよ?」
ジャク「圧がすげぇな」
ユウ「ほらっ、デュエル!ってやつ!」
エース「いや、そっちのカードゲームの話されてもわかんねぇから」
話を逸らすことに成功したユウは一度頭を冷静にする。緊張感は尋常ではないが、Aが気になっていた話題。少し探ってみることにした。
ユウ「えっと、そのエースたちが言ってるジャック・ハートってどんな人なの?」
グリム「オレ様も気になるんだゾ!」
エース「フフンッ、聞きたい?聞きたいよな〜!俺、小さい頃に兄貴に教えてもらったんだ。ハートの女王の手下にジャック・ハートって超〜優秀なトランプ兵がいたんだって!」
ユウ「へ、へぇ…」
エース「国で一番のエンターテイナーで、すごい人気だったらしいぜ!」
エースの話を聞いて、勇気を出してもう少し踏み込んでみることにした。
ユウ「もしかして、他のグレートセブンにも手下?とかっていたの?」
セベク「勿論だ。茨の魔女にはマルフィという美しい手下がいたそうだ。よくリリア様が懐かしそうに話している」
ジャク「懐かしそうにって……どんだけ前の話だと思ってんだよ」
エペル「美しいと言えば、うちの寮のグレートセブンにも手下がいたよ。なんでも女王が林檎好きだったから彼も大の林檎好きだとか。それで名前もアップル、なんとかで。林檎好きってところに僕は凄く共感するな」
デュス「エペルの実家は林檎農家だもんな」
彼らの口からマルフィとアップルポイズンの名前が出てくる。Aの危惧していたことが確信に変わった。
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作者名:いす | 作成日時:2022年2月7日 18時