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JK「……A?どうしたの、大丈夫?」
しばらくの間、呼び掛けに答えなかった私を心配してか、ジョングクはそう言った。
『うん、大丈夫。…この写真、なんだね。』
JK「そう。…Aが、ちょっとでもアイドルの俺を好きになってくれたら良いな。
…無理にとは言わないけどね、やっぱ忘れて。」
『……ジョングクはこの写真好き?』
JK「うん!」
私の目の前で笑う大好きな人は、
いちばん大好きな笑顔で答えた。
『…その人、きっと嬉しいよ。』
JK「そうかな、…この一枚だけだけどね。
一度だけ、会ってみたい気もする。」
『…会えてないの?』
JK「だって顔も分からないよ?」
ジョングクは、私の顔を知らないままなのか。
…そっか、ライブだと見分けがつかないもんね。
顔も名前も知らない私を誇りに思ってくれて
少しだけ、霧が晴れたように嬉しくなった。
JK「あ、Aがいちばんなのは変わらないからね?」
『…うん、』
JK「ただ、俺の恩人なだけで。
…何度も、辞めようかと思ったけど
俺はこの写真に励まされてきたから。」
言えない。
…隣の私が、その人だよ、なんて。
ペンとアイドル。
ましてやマスターとアイドル。
本来、結ばれることは許されないから。
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作者名:時間 | 作成日時:2021年4月28日 16時