ブラコン吹奏楽部で何が悪い！2

吹奏楽部と楽器のない休日 ページ38

こちら伊野尾家。
休日でも規則正しく起きるこの兄弟の朝は、1週間の復習から始まります。

両親が医療従事者ということもあり、この2人はとても勉強熱心で、部活だろうが勉学だろうが、努力を怠りません。

裕｢…兄ちゃん、これ分かんない｣
慧｢んー？どれどれ…あぁ、数学か。これはねぇ…｣

分からないところは素直にお兄ちゃんに聞く裕翔くん。
悪い成績を取らないように、いくらいつもはブラコンだと言っていても、そこはどうしても妥協できません。

裕｢はぁー、やっっっと終わった…｣
慧｢はい、お疲れさまぁ。
…裕翔、今日はさ、ちょっと楽器吹くのはお休みして、出掛けない？
必要なものとか買いにさ。｣
裕｢えっ！？珍しい…兄ちゃんが自分から外に出掛けるの…｣
慧｢たまには俺だって外いくよぉ、どうする？行かないなら行かないでも良いけど。｣
裕｢っ、行く！兄ちゃん、早く行こう！｣

殆どの場合、裕翔くんから出掛けようと誘っても外には出ない慧くんですが、今日はまさかのお兄ちゃんからのお誘い。
裕翔くんも、なんだか嬉しそうです。

慧｢はいはい、ほらぁ、そんな急がなくても良いよぉ…｣
裕｢だって、ほぼ初めてだよ！？兄ちゃんから誘ってくれたの！
気が変わらないうちに早く行かなきゃ！ほら、兄ちゃんも急いで！｣

いつもはしっかりしている裕翔くんですが、プライベートでは少し甘えたがりなようで、実は弟組の中でもブラコンをこじらせているほうなのです。

慧｢ふふっ、小さい時から変わんないなぁ、裕翔は。｣
裕｢ん？なんか言った？｣
慧｢んー、何でもないよぉ｣

そんな裕翔くんに昔の面影を見て懐かしむ兄、慧くんなのでした。

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