ブラコン吹奏楽部で何が悪い！2

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二｢結構ちゃんと仕上がってるんですね…｣
松｢慧も腕を上げたな…トランペットも良い鳴りしてるよ｣
大｢あの双子、流石だな、音色がぴったり合ってる…けど、｣
相｢ちょーっと、さっきよりも個人の色が強すぎるな。実力はあるんだろうけど…｣
櫻｢トランペットとホルンの相性があんまり良くないな、トロンボーンとユーフォニアムも｣

後輩たちの演奏を聴きながら冷静に評価していく5人の先輩。
その隣で演奏を聴いている裕翔くんはその声に耳を傾けて、先輩方の意見を紙に書いていきます。
いくらアンサンブルグループが違うとはいえ、部員であることに変わりはありません。
より高いレベルで競えるようにと、しっかりと記録に残します。

櫻｢真面目だね、君。名前は何ていうの？｣
裕｢あっ、伊野尾裕翔って言います、伊野尾慧の弟です｣
松｢えっ、兄貴より全然真面目じゃないか…？｣
裕｢ありがとうございます、でもそんなことないですよ｣
二｢楽器は何を…？｣
裕｢メインで打楽器を…今はクラリネットとアルトサックスとトロンボーンを…｣
大｢ほんとにめちゃくちゃやってんだな、薮の奴…｣

先輩と他愛もない会話を交わしているうちに文明開花の鐘は終曲。
トランペットを下ろした慧くんが礼をします。
そして起こる拍手。

宏｢…すいません、まだまだ完成してなくて。｣
大｢いーのいーの、結構よかったよ、もう少し纏まるといいけどねー｣
大｢纏まる、とは？｣
二｢音色がバラけて聴こえるんですよ、楽器にもよりますけどね。｣
雄｢やっぱりか…｣
侑｢やっぱり…って？｣
雄｢いや、圭人が毎日録ってる通しの録音を聴かせてもらってるんだけどさ、何回やってもホルンとトランペット、トロンボーンとユーフォニアムがずれて聴こえるんだよ…何でだろ？｣
櫻｢まぁまぁ、難しい事は後ででいいからさ。一通り聴かせてよ。｣

そう言って不敵に笑う櫻井先輩。

宏｢…一筋縄では行かない、か｣

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