ブラコン吹奏楽部で何が悪い！2

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雄｢もう少し低音...トロンボーン、チューバ頑張ろうか｣
光｢馬鹿言え！こっちは基礎合奏の指示出しながらやってんだよ！｣
雄｢でも鳴りが弱いのは確か｣
光｢うぐぅ...｣
大｢よし、チューニングするぞー、全員でB♭の音ください｣
『はい！』

お昼ご飯も食べ終わり、簡単な基礎合奏と最終チューニングをして、本番に備える吹奏楽部。
どんなに走って疲れていても、本気を出すのはここから。誰1人として疲れの色を見せません。

大｢よし、みんなちょっと音程高めな感じするから抜きながら吹いてね、あれ？侑李、ピッコロ持ってきたの？｣
侑｢tuttiで吹くところはフルートじゃ負けちゃうからね。その時の判断で持ち替えようと思って。お兄ちゃんに許可もらった。｣
大｢ひかが許可出したならいっか...｣
宏｢チューニング終わった？準備でき次第始めていいってさ｣
雄｢じゃあ、今度は全員入ってチューニングしようよ、兄貴も入って｣
宏｢おう｣
光｢チューバが基盤だからな、チューバに合わせた音程で吹けよ！トランペット、突っ走るなよ！｣
『はい！』
光｢裕翔指示頼む｣
裕｢はい、行きまーす！せーのっ｣

裕翔くんのスティックのカウントに合わせてもう一度B♭を全員で鳴らします。

宏｢よし、大体合ったな。じゃあ頼むぞ、有岡兄弟！｣
大｢任せとけ！｣
涼｢さっきまで嫌がってたのに...ほら行くぞ兄ちゃん｣
大｢っ...おう！｣

部長の指示で準備されたマイクを手に持つ大貴くんと涼介くん。少し緊張気味の涼介くんの肩を優しく叩いて、司会のスタートです。

大｢皆さんこんにちは！吹奏楽部です！｣
涼｢吹奏楽部は現在、3年生5人、2年生2人、1年生2人の計9人で活動しています｣
大｢パート数も足りない、コンクールにも出られない小さな吹奏楽部ですが、みんなで1人1つの楽器ではなく、沢山の楽器を掛け持ちしながら頑張っています！｣
涼｢今日はそんな僕達の演奏を聞いていただきたいと思います。｣
大｢申し遅れましたが、本日司会を務めさせていただく、3年クラリネットの有岡大貴と、｣
涼｢2年サックスの有岡涼介です｣
大｢短い時間ではありますがよろしくお願いします！｣
涼｢それではどうぞ、1曲目は『ロッキーのテーマ』です！｣

2人の司会が終わったのを確認して、慧くんがファンファーレを吹き上げます。
やはりここは3年生の貫禄と言うべきでしょうか。響かないこの環境でもきちんと遠くまで音が届きます。

さぁ、吹奏楽部の演奏の開幕です！

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