ブラコン吹奏楽部で何が悪い！

吹奏楽部とトレーニング ページ43

午前6:40。

いつもより10分早く音楽室に一番乗りなのはやはり部長の宏太くん。

いつもと違うのはその後ろからぴょこっと圭人くんが顔を出したことです。


「やっぱり宏太お兄ちゃんは朝早いねー？」
「ま、部長やらせてもらってるしな。」
「毎日一番乗りだもん、偉いなぁ」
「そんな俺についてくる！って言ったのはお前だろ？」
「だって低音1人だし体力つけたいんだもん！」
「圭人は良いこだなぁ…」
「ふふっ」

ふわふわにこにこと楽しそうに会話する2人を邪魔するように上がって来たのは、やはりというべきか圭人くんのボディーガード2号。

仲睦まじく喋る2人の間に入り込みます。


「圭人！いっつも俺と一緒に来んじゃん！」
「雄也お兄ちゃんごめんね？昨日先に行くって言ってたんだけど…」
「え、うそ？」
「お前半分寝てたからな」
「うっせぇ兄貴」

「…また喧嘩。」
お兄ちゃんたちの口論にぷくっと頬を膨らませた圭人くん。

部員名簿を取って、久しぶりに出欠係のお仕事です。


みんな楽器が吹けなくなるのがどうしても嫌なのか、あの大貴くんさえ集合した午前7:00。

わちゃわちゃと男子校独特の雰囲気でジャージに着替えて校庭に出ます。

「うわぁぁ、あついぃ…かえる…」
「ほら兄ちゃん行くよ！トランペットは一、二を争うぐらい大事なポジションなんだから！」
ぐだる慧くんを引きずる裕翔くん。


「久々だなっ！走るぜー！」
「…負けない」
「こんの負けず嫌いが〜」
「わ、くそ、頭撫でんな！」
いつも通りデレしかない大貴くんと、ツンデレのツン多めな涼介くん。


「どんぐらい走るの？」
「時間的にも10分強かな…20分には終わるぞ」
「りょーかい。10分なら余裕だね」
「運動神経お化け…」
10分なんて全力で走ってもいけるよ！という弟にビビる光くん。


「久々に走るな…」
「ほんと久々」
「1年生はマラソン大会あったもんな？」
「うん、俺侑李と同じ地区ですごい嫌だった」
「あいつは運動神経お化けだから相手にしちゃダメだ」
暑い中でも3人で固まって歩く薮兄弟。


運動部の邪魔にならないコースを全員で確認して、いざ走り込みスタートです。

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