ブラコン吹奏楽部で何が悪い！

吹奏楽部と朝練。 ページ4

午前6:50。

「おはよーございまーす…」

ガチャガチャと鍵を開けて音楽室に一番乗りなのは部長の薮宏太くん。
ねみぃ…と目を擦りつつ、パチパチと音楽室の電気を点けます。


「今日のメニューはー？」
相棒のファゴットを出しつつ目の前の黒板に目を向ける宏太くん。

「ロングトーン…だりぃ…光ざけんなよ…」

ここにいないバンドリーダーに悪態をつきつつ楽器を構える(一応)部長。

ファゴットの心地よい低音を響かせつつ、部員を待ちます。


午前7:00。

「部長！おはようございます」
「おはよう裕翔」

「薮おはー…」
「おはよ慧目開けろ笑」

仲良く二番乗りは伊野尾兄弟。

半分目が閉じている兄を引きずるように、リズム隊長が音楽室に入ってきます。

そのままずりずりと引きずって兄をぽんっ、と床に放り投げた裕翔くん。

「あ…ゆーと、痛い…」
「知るか」

ぷいっと顔を逸らした裕翔くんは早くもドラムへ一直線。


「…うぅ」
「はよ楽器出せ笑」

床でへばる同級生を幼馴染のよしみで助ける宏太くんなのでした。


午前7:05。

「おはよーございますー」
「おはよう涼介。大貴は？」
「ん？寝てたから置いてきましたよ？」
「くははっ笑 大ちゃんどんまーい笑」

次に来たのは2年の有岡弟。

兄の放置は当たり前、素知らぬ顔でサックスを取り出します。


「涼介大貴先輩今日遅刻したら有岡ポイント5たまるからグラウンド3周ね。」
「あー、いいよいいよ走らせといてー笑」

黒板の有岡ポイントの欄をチョークでとんとん
叩く裕翔くん。

そんな同級生にニヤッと怪しい笑みを返す涼介くんなのでした。

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