検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:15,622 hit

第参話 ページ4

「ツッキー、どうする……?」
「できるか分かんないけど、動きは止められるかも……。その間に山口は王様返す準備よろしく」
「え!?ツッキーはどうするの!?」
「僕は後から帰るから。まずは王様デショ」
山口の反対もむなしく、月島は術の準備を進める。一人、影山は話についていけず、オロオロとしていた。
「な、何の話だ?」
「いい?よく聞いてよ、一回しか言わないから。僕があの妖怪、大蜘蛛の動きを止めるから、その間に王様は山口と一緒に現実世界に戻って。そしたら、僕の家に行って。そしたら、兄ちゃんか親が僕を助けに来てくれるハズ。分かった?」
「山口と一緒に帰って、月島の家に行けばいいのか?」
「そういうコト。ほら、始めるよ」
月島が説明を終え、術をかけようとした時、山口がその横に並び、腕をつかんだ。
「山口?何してんの?早く帰る準備しなよ」
「……ツッキー、まだその術一人じゃ出来たことないでしょ?俺と一緒なら出来る。だから、俺も残る。影山には悪いけど、『三人』で帰ろう」
「…………」
月島は山口の目を見て、意見を覆させるのは不可能と悟った。深い溜め息をひとつ吐き、前を見据える。
「山口の頑固者」
「ごめんツッキー!」
少しの間、視線を彷徨わせた月島が、影山を見つめた。
「王様、作戦変更。山口、王様ボール持ってるはずだから、それにお札貼って。王様は僕の合図でそのボールでジャンプサーブ。それまで後ろにいること。幽霊じゃないにしても、流石にある程度は効くはずだから、その間に帰るよ」
「了解」
「わかった!影山、ボール貸して!」
ぺたぺたとお札を貼り、影山に返すと、山口は月島の隣に立った。札と小刀を構え、月島と共に結界を張る。大蜘蛛の周りには水色の結界が張られ、その体のあちこちに鎖が巻き付けられていく。何度も大蜘蛛が攻撃を繰り返すが、結界が弾いている。
「すげぇ……!」
「チョット、感心してる場合じゃないの分かんない?そろそろ行くよ」
こくり、とひとつ頷き、影山がお札ボールを手に集中する。後ろから試合中のようなチリチリとした空気を感じ、月島と山口は目を合わせた。
「今!」
「解!」
山口の合図の声と、月島の結界解除の声が重なる。静かにサーブモーションに入り、強烈なジャンプサーブを影山が放った。
思いっきり直撃し、その威力とお札の効果で大蜘蛛が苦悶の声を上げる。それを見、月島が帰る術式を組もうとした。

「月島!」
「ツッキー前!目、開けて!」

第肆話→←第弐話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー!! , 日向翔陽 , 妖怪パロ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:和泉透流 | 作成日時:2016年6月20日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。