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時間の流れというのは、早いもので。
打ち合わせやリハーサル、準備等々で忙しく、あっという間にイベント当日。
時々見かけることはあっても、お互いに時間もなく、ゆっくり話をする暇なんてなかった。
イベントが終わったら話せるかな、なんてぼんやり思いながら、仕事を手伝う。
ちなみに、私はアシスタント兼クリエイター、YouTuberをアシストするYouTuber、という特殊な扱いらしい。
なので、ステージに出ることもできなくはないのだが、まだ慣れていないこともあるし、何より私が表舞台に立つことには気が引ける。
まあ、そんなステージに出るような話は聞いていないので、今日はこのイベントのアシスタントをする、というわけだ。
そういえば以前に、チャンネルも持っていないのにYouTuberを名乗って良いのか、事務所に相談した際、「人気あるから大丈夫!」と笑顔で言われたことを思い出す。
その時は多少の不安を覚えたが、お言葉に甘えて、楽しく働いている。
初めて事務所に行った時、温かく迎えてもらえたことは本当に嬉しかったし、ありがたかった。
そんなことを考えながら、手伝いを終わらせた。
バディ「よしっ、ありがとね、Aちゃん。それじゃあ次は…ここで待機!」
「はい!お疲れ様でした!」
待機と言われた場所は今ちょうど行われているステージの裏。
黄色い声が飛ぶステージを少し覗いてみると、彼らがいた。
彼ら…フィッシャーズのコーナーは、確か女性クリエイターとペアになって行うゲームだったはず。
……ん?ちょっと待って…
一人…少ない…?
フィッシャーズ七人に対して、女性クリエイターは六人。
打ち合わせの時に聞いた話では、女性クリエイターには一人特別ゲストが来ると言っていたが、まだ来ていないのだろうか…
それが誰なのか、私には知らされていない。
「Aちゃんにも楽しんでもらいたいから。」と、当日のお楽しみ的な感じで。
それにしたって、遅すぎる気がする…
ステージの上では、既にシルクさんがゲーム説明を始めている。
少し不安になって周りのスタッフさんを見てみるが、心配する様子はなく、むしろ楽しそうだった。
突然、会場からざわめきが聞こえた。
やはりトラブルか何かあったのだろうか…と思ったその時だった。
ステージから駆け足でこちらに向かってくる。
彼に、まさかこんな場面で手を取られるとは、ほんの数秒前の私は予想もしていなかった。
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あずきいろ
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マサイ愛 - とっても面白かったです! (2020年1月31日 15時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - まりささん» ありがとうございます! (2018年10月24日 17時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
まりさ - 完結おめでとうございます。面白かったです!続きも読ませていただきます。本当にお疲れ様でした! (2018年10月24日 7時) (レス) id: aed1f7157f (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - 皆様ありがとうございます! (2018年10月21日 16時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃい(プロフ) - 書いてほしいです!このお話、rとても楽しく見させていただきました。続きがみたいです! (2018年10月21日 15時) (レス) id: db31bc5097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちきなこ | 作成日時:2018年9月26日 18時