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午後11時。


12時に寝るのが当たり前になっていたせいか、全く眠くならなかった。


無理に寝ようとするのも良くないので、音楽を聴いていた。


久しぶりに使ったお気に入りのヘッドホンは、やはりイヤホンより音質が良い気がする。


周りの音がシャットアウトされ、流しているだけの曲に意識がいってしまう。


シャッフルで流れてくる曲は、仕込んだのではないかと疑いたくなるほど恋愛ソングばかりだった。


歌詞が私の胸にグサグサと突き刺さる。


“愛してる”だとか、“逢いたい”だとか、そんなことばかり。


…ほら、また歌う。“君の声を聴きた…(♪〜♪〜)!?


突然鳴った電話の着信音。


すぐに曲を止め、ヘッドホンを外す。


「だ、誰…!?」


表示されていた名前に、少し胸が苦しくなる。


気持ちを落ち着かせ、その電話に出た。


「はい…Aです。」


マサイ『あ、マサイです。』


聴きたかった声に、また苦しくなってしまう。


それでも、取り繕って話す。


「どうしたんですか?」


マサイ『いや、用があるわけじゃないんだけど…』


何となくそうだと思っていた。


マサイ『えっと…元気?』


「まあ…はい。元気です。」


マサイ『そっか。』


毎日話していたのに、電話越しの会話はぎこちない。


マサイ『…また外の撮影の時とか…もしかしたら事務所で会うかもしんないけど、よろしくね。』


…もう切ってしまうのだろうか。


「はい…」


寂しさに襲われる。


マサイ『じゃあ…おやすみ。』


「あ、あの…」


素直に「おやすみなさい。」も言えない自分に呆れてしまう。


マサイ『ん?どうしたの?』


弱みを見せないようにしていたつもりだった。


「えっと…」


でも、それもただの強がりで。


「その…」


迷惑だとか、勝手に決めつけて、


「もう少しだけ…」


本当の気持ちを隠していた。


「話し…ませんか…?」


少しだけでいいから、


マサイ『うん。俺も話したい。』


私の我が儘、聞いてください。

 

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マサイ愛 - とっても面白かったです! (2020年1月31日 15時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - まりささん» ありがとうございます! (2018年10月24日 17時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
まりさ - 完結おめでとうございます。面白かったです!続きも読ませていただきます。本当にお疲れ様でした! (2018年10月24日 7時) (レス) id: aed1f7157f (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - 皆様ありがとうございます! (2018年10月21日 16時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃい(プロフ) - 書いてほしいです!このお話、rとても楽しく見させていただきました。続きがみたいです! (2018年10月21日 15時) (レス) id: db31bc5097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちきなこ | 作成日時:2018年9月26日 18時

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