余命宣告、一週間。ぶりっ子なんてもう辞めます！【リドル・ローズハート】

帽子の彼、再会の涙 ページ8

それから特に何事も無く５日が過ぎていった

いや、訂正

やけにみんな構ってくるし

なんか監督生ちゃんが睨んで来る

あれ？？もしかして、否もしかしなくてもあの子って性格悪い？？

マジかぁ…

夜、寮を抜け出し外へでる

それにしても…

『あと１日かぁ』

短かったな

でも

『まさか…』

離れたく無い、だなんて

思うなんて

その時

ｻｱｧｧｧ

目の前が光る

「よォ、久しぶりだな？A」

そこから現れたのは、帽子が特徴的な幹部サマ

『…ちゅ、うや？』

なんで彼が…？

「迎えに来る前に様子を見に来てやったんだよ」

そう言って笑う彼に、もう自分を抑えられなかった

勢いよく抱きつく

『中也っ中也ぁ！』

ボロボロと涙が溢れているのが判る

「！？……良く頑張ったな、A」

頭に温かい重みを感じる

『！ふふっ、ありがとう！』

「あァ。ん、そろそろ時間だ」

驚いて離れると、確かに身体が透けてきている

もう一度抱きついて言う

『…みんなに、ありがとうって言っておいて』

「判った。後、彼奴らも手前ェのこと心配してるんだぜ？」

無理すんなよ

そう言って消えていく

『っ中也！またね！！』

「！…あァ、またな」

完全に消える迄、見送っていた

中也が消えた後には一輪の花

これは…

『…カスミソウ…』

花言葉は確か…

ふ、ありがとうだけじゃ言い切れないよ

『…彼等に＿＿＿幸福な結末(happy end)を』


NO side

地面に座り込み祈るAは、気が付かない

そんな自らの様子や先刻の会話を見られていたことに

いつもの冷静な彼女か帽子の彼なら気が付いたかもしれないが…

否、帽子の彼はわざと(・・・)気が付いてないフリをしていた

この場を見ていた彼等は何を思ったのだろうか

厳格な女王様は、何を感じたのだろうか

彼等は気が付かない

表裏を持つもう一人の少女(天海ユウ)の、インクが溜まった

終末の時は、刻々と進んでいく＿＿＿＿＿＿


………………………………………………
カスミソウの花言葉
『清らかな心』
『無邪気』
『親切』
『幸福』

もう一人の少女の黒い、憎悪の感情→←夢主ちゃん詳細

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す