レモン色の甘い恋*10

After that T Story* ページ40

旅立つ前日

どうしてもAに会いたかった

でも...揺らぐ自分が居るのが目に見えて

店の前まで来たけど

玉が店に入ってくのが見えてやめた。





情けない






当日になって

空港で荷物検査したり

フライトの時間迫ったから

搭乗口に向かおうとした時






『太ちゃん！！！』









こんな時でも

こんな時だから

勘違いしちゃうんだって








でも...









「A...嘘...だろ」









『はぁっ...もう

時間あったらお店...寄るとか

全然っ寄らないじゃん』









息切らして

俺の為に急いで来てくれたんだって

愛しくなる









「ごめん、なかなか時間なくて...」









『嘘つき...』









「えっ...」









『私に...会わない為なんでしょ...

自惚れてるけど

太ちゃんの事...私だってわかってる』









泣きそうなA

参った

泣きたいのは俺なのに









『太ちゃんの会社電話して

いつ行っちゃうのか聞いたの

今日お見送り行くかも迷ったの』









『でも太ちゃんにちゃんと

ありがとうって言わなきゃ

絶対後悔しちゃうから』









目、真っ赤にして

思わず抱きしめた









『っ...太ちゃん』









後ろに手回してくれる

最後だってわかってても

最後だってわかってるから

余計に離したくなくて






玉には悪いけど...









「A...俺の方こそありがと」









『太ちゃん...私いっぱい幸せになる

だから...だから太ちゃんも幸せになって』









お前なしの幸せってどこにあるんだよって

言いたかった気持ちを隠して









「うん

俺も幸せになる

帰ってきた時

太ちゃんがいいなんて言ったって

遅いからな」









そう言って離すと









『うん』









「行かなきゃ...

じゃあ、またな」









こっちに帰ってくる時には

幸せになって帰ってこようと

Aの笑顔を見て強く思った









ずっとずっと愛しかった君に

お互いの幸せを願う優しさを

忘れずに

最後じゃない別れを告げて

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