レモン色の甘い恋*10

Last Story* ページ35

あれから数年

あの防波堤の近くに家を建てた






Aは独立して

個人経営をはじめた








俺は変わらずだけど

昇格して

今は他の案件も

持たせてもらえるようになって

忙しい日々









最近体調

悪そうにしてた

Aが







『ねぇ裕太

いつものとこ行かない？』









「体調は？大丈夫？」









『うん、今は平気』









そう言って歩いて向かった









いつものとこって

言う癖は昔から変わらない








防波堤に連れて来る

寒いといけないから

ストール羽織らせて









『ねぇ裕太

たまには自転車で来たいな』









「うんいいよ」









『あ、飴あげる』









「またその飴？」









『ねぇ裕太

私の事1番に愛してくれる？』









「当たり前でしょ」









『ねぇ裕太

赤ちゃん、授かった』









そう言ってお腹をさするA









びっくりしたけど

嬉しくて

笑顔なAを

抱きしめてキスをする









初めてキスをしたこの場所で

あの時も今もレモンの味がした





今、年を重ねても同じで

あの時はずっとこのままって

時の流れが無限に感じたんだ






今もきっと

Aだから無限に

思えるかもしれない









「生まれてくる赤ちゃんと

3人でずっと幸せに暮らそう」









ーレモン色の甘い恋 Fin*ー

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