#125 私一人で為せたことじゃない ページ25
いつまでもセブルスをからかっていると彼の機嫌を損ねてしまうか、と適当なところで終わりにして本題に入る。
「それじゃ、刺青を入れ始めるけど…何かあったら言えよ？」
彼からの返答はなかったけれど、彼の場合は異論や不満があればそもそもされるがままにはなっていない。ともすれば、彼が私に背を向けている時点でそれは彼の了承のようなものだ。
じり、と墨彫りを始めれば、セブルスが僅かに息を詰める。彼は良くも悪くも我慢強い、私に知られるのは嫌だとか、そんなことを思っているんだろう。彼らしい、と言えば彼らしい。
「…そういえば、既に刺青を入れてからで今更だが。この刺青にはどんな効能があるんだ？」
「俗っぽく言えば全体的なステータス強化。あとは、誰かしらに何かがあったときの…センサー、かね。何かしらがあっても隠すような小生意気なのも居ることだし」
それは自分のことかとセブルスに睨まれた気がしたけど知らないふり。
率直には言わないけどお前のことだよ。私が気付かなかったら足の傷のことだって言わなかっただろどうせ。ろくろく手当てもしないで、後遺症が残ったらどうするんだまったく。
「この先のことを考えるのであれば無茶な願いだとは思うが、私は出来うる限りお前達に怪我をしてほしくないからな…セブルスやアルバスは言うまでもないが、私はあの子達も、ホグワーツの切り札になるように育てるつもりだ。」
一人より二人、二人より三人。あんまり多すぎても育てるのが大変だし、何よりヴォルデモートに気付かれるリスクが出てくる。それで連中に違う手段に出られても厄介だ。
連中に気付かれないように活動し、私達は戦力を整える必要がある。その際に一般のホグワーツ生の能力も底上げ出来れば万々歳だが、そこに私が干渉することは難しい。
あの子達が真っ直ぐに成長することを、祈るほか無い。
「………私がお前さんをこのホグワーツに呼んだ最初の目的は、もちろんこのホグワーツを守ってもらうためで、あわよくばこちら側の最終兵器とするつもりだった。それが…ふふふ。お師匠は私が思っていたよりも行動的であったらしい」
「行動的な子供達に引っ張られて、こうなっただけさ。お前が私を選ばなかったのなら、私は変わらずにあの家に引き籠もっていたろうよ。」
子供達が私を慕って私を頼ってくれなかったのなら、きっとこうはなっていないだろう。
もし仮にそうなっていたとして。その時の私はどうしていただろうか。
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葵 - とっても面白いです！更新される日を待ってます！ (2023年5月5日 22時) (
レス) @page35 id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
レイ - めちゃくちゃ好きです！応援しています！ (2023年4月19日 15時) (レス) @page35 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
天鬼雷壊(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです。プライベートのことなどでお忙しいとも思いますが、更新するのを楽しみに待っています！ (2023年4月6日 18時) (レス) @page35 id: e391e268f1 (このIDを非表示/違反報告)
Aoiro - 失礼します！とても面白く読ませていただきました。続きが気になります。更新してくださる事を心より楽しみにしています！ (2022年9月20日 23時) (レス) @page35 id: 5f332b141b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 失礼します、コメントのいる方が仰っているようにとっても面白い作品で魅力されました。これは一読者としての意見と我儘ですが、更新してくださる日が来る事を心の底から楽しにみ待っています！ (2021年12月29日 3時) (レス) @page35 id: 2224f94912 (このIDを非表示/違反報告)
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