#95 この愛を守るために ページ45
「………はー…前から思ってたけど、私めっちゃお前らに愛されてるわ…。そんなに私を甘やかしてどうしようって言うんだ…。」
「何言ってるんだよ、師匠！」
「俺達は師匠が沢山愛してくれるから、そっくりそのまま師匠を愛してるだけだぜ？」
「………私を誑し込んでどうすんだばか！！！」
「「それ師匠が言う〜？」」
確かに愛してるよもうばかやろう…！
自分が言うのと他者に言われるのとは違うんだよ、だって私返してもらえる前提で言ってねーもん…！なんかこう、無意識に一辺倒で愛を注ぐ側を貫くつもりでいたわ。
「……そんなんさー…そんなんもう、私甘やかすしかないじゃん…甘やかさざるを得ないじゃん…。」
「「甘やかしてー！」」
「お前らはいちいちあざといんだよ！」
なんなんだこの双子は！絶対狙ってやってるだろ！
悔し紛れにわしゃわしゃーっと髪を掻き混ぜるように撫でてやっても二人はそれで楽しげで、私が愛弟子に勝とうと思うのが間違いなんだろうか、と察した。
いや、まあ、双子にもみくちゃにされるのも嫌いじゃないんだけどね、楽しいから。
「…そうだ！僕も兄さんに聞きたいことがあったんだった」
「んあ？聞きたいこと？」
「うん。兄さん、毎日違う場所に傷を作ってるでしょ？どういう訓練をしてるのかなって」
「どうもこうも。“A”！」
ここは故意の夢を基盤とした部屋だ。ともすればもちろん、この場にあいつを呼び出すことも出来る。
た、と私の隣に着地した私に、彼らは目を丸くしていた。
「……に、兄さんが二人…」
「こいつと、戦闘訓練をしてるんだよ」
［所謂、もう一人の私、ってやつだな］
見分けを付けるのは難しくない。奴はそもそもが故意の夢の中の存在で、実体そのものがあるわけじゃない。だから訓練中に私がどれだけ彼に傷を与えたところで次の夜には元通りになっているのだ。
尤も、傷付いた状態で出てこさせることも出来るけれど…わざわざそれを行うのは生産的ではない。戦えるのであれば常に強敵と。
「戦闘訓練…魔法使いの決闘か？」
「いや、物理。」
「は？！」
［物理と魔法の混合とも言うか］
「確かに」
［つまるところ］
「傷付く前提の全開バトルだ」
フレッドとジョージを真似て掛け合ってみたけど結構楽しいなこれ。主に愛弟子の反応が。
「…とは言え、この訓練のそもそもは精神強化のためだ。」
［どんなことが起こっても怯まない精神の確立のために。］
#96 先のことを考えるのであれば→←#94 私に抱くその感情を
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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