#91 私はお前に勝てる気がしない ページ41
セブルスの返答を待ちながら、私は傷の治療を開始する。どこの何にどういう経緯で引っ掻かれたのかも聞きたいところだけど、とりあえずそれは後回しだ。
彼は口を開かない。私に答えるのを躊躇っていると言うよりは、ただ、私が傷を治している様を眺めているような感じがした。彼は何を考えているんだろう。
「……私が」
「、ん？」
「私が…貴方に治してほしかったなどと言えば。どうせ貴方は笑うんでしょう」
………私に治してほしかった？
「……〜〜〜っ、ああもうお前ほんと馬鹿だよなあ…！だったらもっと早く来いよもっと早くに私に言えよ今の今まで私に黙ってて…！」
「……言うんじゃなかった」
「馬鹿たれ、私はお前が愛おしいんだよ！」
私に甘えたいだなんて言い出すお前を笑ったりなんてするものか！
咄嗟に怒ってしまった私に、セブルスはきょとんと目を丸くする。あ、珍しい表情。眉間に皺がない。いや私と一緒にいるときのこいつは眉間に皺作ることの方が少ないけど。
「大人だから甘えちゃいけないなんて道理があってたまるかよ、お前は逆に人に甘えなさすぎるんだ！」
「…し、しょう？」
「子供みたいに甘えろとは言わない、大人には大人の甘え方ってもんがある。未熟者め、私の魔法より先にそこの躾をしてやる！」
セブルスが馬鹿なことを言うものだからテンション振り切ってしまった…でもわりと真面目にこいつにそこのところを躾けたいから今はこのテンションに身を任せよう。
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「……すまん、落ち着いた」
「…いえ。興味深い話でした」
「冷静に考察するな恥ずかしいから！」
なんだよ大人の甘え方の指導っていい大人にすることじゃないだろう…！じゃあ誰にするんだよって聞かれると口籠もるけど！少なくとも指導なんて形じゃなくてよかった！
あああ、と顔を覆って恥ずかしがっていると、ふ、と小さく笑い声が零される。この場にいるのは私と彼だけで、ともすれば誰が笑ったのかなんて考えるまでもない。
「…貴方にそれをご指導いただけたということは、少なくとも貴方には、それを行っても良いと？」
「あ？そりゃあ、もちろん」
「それさえ分かれば結構。…私が、貴方が私を見ていてくれればそれで良いと、そうとだけ思っていたのは事実です。しかし、貴方は私に遠慮するなと言った。…お覚悟を」
…何それ、私悶え死ぬ覚悟でもしとけばいいの？
甘えろって言ったのは私だけどお手柔らかにお願いします供給過多で死ぬから。
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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