#72 罪を想い許される ページ22
「……見た目が気になるなら、お前にも教えてやろうか？七変化」
「ほ？」
「今のお前なら、私が教えてやれば多分出来るぞ」
「…それは、吉報じゃの。」
「……爺の見た目がコンプレックスだったの？」
「お前さんを見てると、精神年齢は外見年齢に引っ張られるものだとつくづく思う」
「……それ、褒めてんの？貶してんの？」
つまり今で言えば私は外見年齢に引っ張られて中身まで十一歳になってると？
確かに爺になったことがないから精々アラフォーアラフィフくらいの精神年齢で済んでるけど、だからって…今の私そんな幼いか？外見年齢に甘えたことすることは偶にあるけど。
………そういうのを使いこなしてるから若く見られるとかそういうことだろうか。
「で？稽古付ける？」
「よろしく頼む。学んでおいて損はなかろう」
「おっけー。朝の時間も濃くなるな」
アルバスがあの歳になってまだ精力的に何かを学びたいと言い出すとは思わなかったけど、まあ確かにこの先いつ何が起こるか分からないから。七変化に関しては備えておいて意義はあるだろう。
「…後悔先に立たずとはよく言ったものだよ。もっと早くに私が人と関わりトラウマを克服していたなら、おそらくこんなことは起きなかったんだからな」
「否、そうと後悔するのは早合点じゃろう。今回は儂らが傍におったから良かったものの、もし今回のことが余所で行われたのであれば…お前さんは、ここにはおらんかったかもしれん」
「……考えていても後の祭り、か。確かに、その通りだ」
「今こうして生きている以上、過去を憂うより未来を馳せこれからを尽くす他なかろう」
「ははは。私も、前にセブルスに同じ説教をしたよ。なんて浅はかか」
「仕方なかろうよ。例えお前さんが最古の魔法使いであったとて、本質は、ただの人間だ」
……ああ、その通りだ。
私は不老で、七変化を得ていて、特殊な魔法を使えて、そうして、“最古の魔法使い”などと呼ばれていても。私は、ただの人間だ。笑い、怒り、悲しみ、悩み、死ぬときは死ぬ。
「…肩書きに振り回されていたのは、他ならぬ私だったのかもしれん」
「それもまた、人間であるが故には仕方のないことじゃよ」
「ふはっ。お前、私の何もかもを許すつもりか？」
「そうじゃ。お前さんが自らを許せんとするなら、最初の弟子である儂が、お前さんを許そう」
「……本当に、お前は食えない奴だなあ。」
まったく、私はお前に勝てる気がしないよ。
#73 今一度お前との邂逅を→←#71 覚悟を決めた。覚悟しろ
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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