#71 覚悟を決めた。覚悟しろ ページ21
セブルスが次の授業の準備があるからとどこか名残惜しげに場を後にして、私はベッドに寝転がってじーっと天井を眺める。
心に決めただけでは物足りない。誰かに見せつけるくらいの何かが欲しい。
……今なら、ポンプリーもいない。
私は体を起こしてベッドを降り、医務室に設置された姿見の前に立って、それに映る自分を見つめる。何にしようか。どこにしようか。姿見の前でぐる、と回って自分を見回す。
私はにんまり笑って、｢きーめた｣と呟いた。
％
「……A、何をしておるんじゃ？」
「あっ。見てくれよアルバス、刺青彫ってみたんだ」
見舞いにか訪れてくれたアルバスに問いかけられ、半裸になっていた私は腰の右寄りに彫った刺青をアルバスに見せた。それなりに目立つけれど派手だと言うほどではないサイズ感と色彩を意識して。
珍しく呆気にとられた顔をしたアルバスは、するすると私の傍に歩み寄ってきて指先で私の刺青を撫でる。く、触りたくなるのは分かるけどくすぐったい。
「花の…刺青」
「案外綺麗なもんだろ？魔法式刺青。ランダムにじわっと絵柄が変わるんだ」
「また新たな方式を編み出したか…相変わらずお前さん自由じゃのう」
「色々と思うところがあったんだ。ちょっとした決意表明みたいなもんだよ」
半裸の状態から服を身に付け、すっかり隠れたそれに小さく笑って背筋を伸ばす。
「いい加減私も、箱入りしてないで一皮剥けなきゃ、な。」
「…あまり無理するでないぞ？お前さん無茶するからのう」
「手が必要になったら遠慮しないで頼る。愛弟子には遠慮しない」
「！…それは、随分唐突な意識改革じゃな」
「………これ以上、愛弟子を泣かせたくはないんだよ」
私を慕ってくれる子供達には笑っていてほしい。幸せになってほしい。
「今までの私は願うばかりで自分で叶えようとしない他力本願だった。今回の件は、そんな私の惰性が招いたことだ。情けなかった。不甲斐なかった。…二度はしない」
「…なるほど。決意表明か」
「そういうこと」
制服を着てると何にも見えないけど、彫り物をしてある違和感があるだけで気が引き締まる感じがする。
幸せになってくれますように、じゃない。私が彼らを幸せにする。
「……羨ましいのう」
「は？」
「儂もせめて、セブルスほど若ければ。お前さんに愛弟子扱いしてもらえたじゃろうに」
「…何言ってんだお前。立派に私の最初の愛弟子だろうに」
私が見た目で判断なんざするか。
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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