#67 笑え。そんなお前達が好きだ ページ17
それが、これ。
元より彼らはスキンシップが激しいけれど、お祭り騒ぎが好きな彼らにしては、現状はあまりにもしおらしい。彼らがいるのにこの医務室は静かだ。
「……愛されてる実感が湧いた」
「「、？」」
「愛って言っちまうとちと大袈裟かね」
でも、友人程度の思い入れの相手が傷付けられたからと、それほどまでに怒り狂うことはあるまい。
不思議そうに私を見上げてくる二人に微笑み、私は口を開いた。
「私はもう大丈夫。トラウマは少しずつでも改善してみせるし、これからはもう、お前達が一緒にいてくれるんだろう？
だから、もう泣かないでおくれよ」
二人の頬から髪を掻き上げるように撫で、ぎゅうと抱き締めてやる。二人は苦しかったのか小さく呻いて、解放してやればぷは、と息を吐き出していた。
二人の目から、涙は零れない。私はそれに満足して笑い、わしゃわしゃっと二人の頭を掻き撫でた。
「「わっ、ぅ、」」
「二人の泣き顔も可愛くて好きだけど、私は二人のとびっきりの笑顔が好きだよ」
私が彼らにそうと伝えれば、彼らはきょとんと目を丸くする。
それから、ぶわっと顔を赤らめていた。
「「っ……師匠のたらしー！」」
「ええええ。私普通に褒めただけじゃん！」
いや、まあ照れてる顔も可愛いからそれはそれで良いんだけど。そこまでの反応をされるようなことを言ったろうか。
釈然としない、と思いながらも、まあ二人が元気になったから良いかと考え直して首に抱きついたままのハリーの頭も撫でてやる。…なんか、愛弟子って言うか…撫でまくりでペットみたい…。良くない発想なのは分かってるけど、話を聞いてる限りフレッドとジョージだって番犬みたいだし。
「ドラコも撫でて欲しい？」
「…僕はいい。」
「前髪が下りてるの、やっぱり可愛いよ」
「……ふん。」
「ありがとう」
く、と軽くドラコの背中に背中を預ければ、彼は少し沈黙して、こつん、と私の後頭部に自分のそれを軽く当ててきた。ひっそりとしたデレ。お前ほんとツンデレだな。
「それにしても…三日。三日か。何があった？」
「…伝えるべきことと言えば、君が気を失った後にどこかの部屋で飼われていたらしいトロールが逃げ出した。」
「はっ？！」
「沈静は済んでるんだ。トロール、女子トイレに入り込んじゃって…ハーマイオニーが偶然そこで泣いてて、ロンが浮遊呪文を使って」
「……そうか…いや、分かった。」
トロール。トロールが、逃げた、ねえ。
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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