#65 演技やり過ぎ注意 ページ15
「「師匠！！」」
「あ、フレッ…はあああ？！なんだお前らその顔！」
彼らまで見舞いに来てくれたのかと思って彼らを見た瞬間、一気に湧き上がったのは驚愕だった。
どう見ても殴り合いの喧嘩しましたっていう顔。腫れてるし切れてるし痣が出来てるしイケメン顔が酷い有様だ。ガーゼだ湿布だーは貼ってあるから治療は受けただろうに何故治していないのか。
「あはー…師匠が寝てる間に、ちょーっと色々あってね」
「なに弟子の分際ではぐらかしてんださっさと吐けこのやろう」
「ちょ…師匠目がマジになってるって。こわい」
「うるせえおどけて誤魔化すな。何が、あった？」
誤魔化されてはくれないのだと察するや否や、彼らはおどけるのをやめて口を噤む。項垂れたその様子は叱られた犬を彷彿とさせた。
「…君のトラウマを抉ったレイブンクローにぶち切れて殴りかかったんだ」
「「ドラコ！」」
「どうせ彼を誤魔化すことは出来ない。諦めろ」
……フレッドとジョージは、私のために喧嘩したのか。もしかして…その事実に、彼らは怒ったのか。私は、今まで彼らがそんなふうに怒ったところを見たことがない。私が見る彼らは、いつも楽しそうに笑っていたから。
「……フレッド。ジョージ。来い」
「っ、ま、待って兄さん、二人は兄さんのために、」
ハリーに目を向けると彼は口を噤む。ドラコがハリーの肩を掴み、私の膝の上から降りさせた。
「来い。今すぐにだ」
双子は肩を跳ね上げ、おそるおそるといった様子で私の横、ベッドの傍まで歩いてくる。
「跪け」
彼らはごくんと息を飲み、黙って私の言うとおり膝をつく。
私はベッドから足を降ろし、立ち上がって跪く二人を見下ろした。
両手を彼らの頭の上へ。それから──
ぽすん、と二人の頭に手を乗せた。びくんと二人の肩が跳ね上がり、けれど、彼らは状況が飲み込めずに目を丸くする。そっと、私を見上げる。
「……ありがとう。私のために、怒ってくれたんだな」
そう声を掛けると、彼らは呆然とした顔をして。それから、じわりと目に涙を浮かべた。
「……待って、なんで泣くの？」
「……うﾞ、お、おごられるのかと、おもっだ、」
「…怖かった？」
「「ごわがった…っ」」
「まじか。ごめん」
「「ううﾞううぅ…っ！」」
一応お灸を据えよう的な意図はあったんだけどまさかそんな泣かれるほど怖かったとは。
腰や背中に腕を回してしがみついてきて泣く二人の頭を撫でて反省した。
#66 しとしとと雨降るように→←#64 私は心配されていた
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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