#34 双子の謎の呼び出し状 ページ34
「差出人は？」
「えっと……げっ。」
「え、何そのリアクション。…ウィーズリー？」
封筒の裏をよくよく確認すれば、そこには幼気な文字でそう記されていた。
それでか、とドラコのリアクションに納得する。
「……昨日ポッターと一緒に居ただろう、赤毛が」
「居たね」
「あれの兄貴の双子の名前だ、これは」
「ジョージ・ウィーズリー、フレッド・ウィーズリー…なんでまた。」
「僕に聞くなよ。ええと…便箋も入ってる。………“今日の昼休み、中庭にて集合されたし”……。」
「彼のお兄さんって面白い人なんだねえ」
「面白いもんか、こんなのただの呼び出しじゃないか！」
「でも私、この栞のセンスは好きだなあ」
文面にちょっと難点があるけれど、こんなステンドグラスの栞を添えるような奴に悪意があるとも思えない。
というか、そんな真似をする人間がグリフィンドールに居るとも思えない。そういうのはどちらかというとスリザリンがやることだろう。
まして彼らはウィーズリーの名を冠した人間だ、そんな捻くれた子供が居たならモリーが目一杯躾けるに違いない。
「…会いに行くのか」
「そのつもり。わざわざこうやって手紙を送ってくるってことは、何かしらの用件はあるんだろうしね」
「連中は悪戯の常習犯なんだぞ！」
「迎え撃ってやるよ。私だってそれなりの
「………まあ、君が負けるとも思っちゃいないが…」
「だろ？大丈夫さ」
「でも、気を付けるに越したことはないからな。注意しろよ」
私に悪戯するつもりでこれを贈ってきたわけじゃあるまいに、ドラコは存外心配症だ。自分だってまだ彼らの悪戯を受けたわけではないだろうに。ウィーズリーの双子はそれほどまでに悪名高いのか。
まあ、これで私が本当の一年生だったとすれば、どうにかすることも出来なかったろう。けれど私は無駄に長命、そして未だに血気盛んだ。
私は、小生意気なくそガキに負けるつもりは毛頭ない。
％
梟を構いつつ昼食を済ませ、私は図書室に行くと言うドラコと満足したらしい梟と別れて中庭へ向かう。昼休みの中庭は休憩に来る生徒も多いらしく、先客もそれなりだ。
私は双子のウィーズリーの姿を、未だにこの目にしたことがない。しかしそれらしい姿も見当たらない、まだこの場に到着していないんだろう。
では彼らが来るまで時間を潰すか、と木の根本に腰を下ろすと、待ってましたと言わんばかりに花弁が頭に降り注いだ。
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エトーカ(プロフ) - uetoさん» 自分のことを“私”という男です。年長者の爺なので落ち着いた雰囲気を示してみました。 (2018年6月18日 20時) (
レス) id: 8fe5c80859 (このIDを非表示/違反報告)
ueto - 主人公の性別はどっちですか？男主と書いてあったけど自分のこと私と言ってますがどっちですか？ (2018年6月13日 21時) (レス) id: 20012f22cd (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» ありがとうございます！久しぶりに、というお言葉はとても恐れ多いですが、とても嬉しいです！恐縮ですが、もう少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 一気に読みました。続きを早く読みたいと思わせてくれる作品でした！久しぶりにいい作品に出会えた気分です。続編楽しみにしています！ (2018年4月8日 15時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - ヒロさん» ありがとうございます、コメントお待ちしておりました…！私も書いてて夢主のようなお兄ちゃんが欲しいですw公開はもう少々お待ちください、ありがとうございました！ (2018年4月8日 13時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトーカ | 作成日時：2018年3月25日 19時
