目になってやる ページ49
"彼女"の言った事をそのまま伝えると、ダリューンの殺気が数段増した。
ダ「おのれぇぇ…………ッ」
ナ「多分、か。何ともまあ説得力のないことを言うのだな、おぬしの別人格は」
セ「あたしに言うな！！」
メ「困りましたね。いつ戻るかが分からないとは……そもそも本当に視力戻るのでしょうか…」
シ「セレン様、"彼女"を一発殴らしてください」
セ「殴り返すが良いか、シェンヴよ」
結局、視力が戻るかどうか分からず終い。
目が見えなくなった事は殿下をふくめ、皆にはふせておくようにとナルサスに言われた。
…
ダ「……熱は下がらぬか」
セ「うん……でも昨日よりは楽になったよ」
片付けの終わった部屋で、またダリューンに世話をやかれている。
たまにはベタ甘えしとけとメルシィに言われたので、喜んで甘えさせてもらっている。
が………やはり何も見えないと少々辛いし怖い。
ダ「………((ｷﾞｭｯ」
セ「！ダ、ダリューン？」
ダ「今日は珍しく不安が顔に出ているぞ」
セ「あ……………そう？はははは」
ダ「ごまかすために笑うな」
腕を解かれる。
そしてギシ、と寝台がきしむ音がした。
え、ちょっと待っ…………
ｸﾁｭ
セ「ふ…………ッあ………んん…///」
…ただでさえ熱に浮かれて意識がとびそうなのに………こんなの反則…////
ダ「……ッはあ……………次にごまかしたら、分かっているな？」
セ「……………はい」
見えないけど分かる。今絶対この人にやけてる。
セ「………不意討ちしろとは頼んでない」
ダ「嫌なのか？」
セ「別に」
嫌なのではない。
表情が見えないから悔しくて。
貴方の瞳がどこにあるのか分からなくて、悲しくて。
苦しくて不安で辛くて。
残っている五感で感じることだけが頼り、という事が心細い。
ただそれだけの事…＿＿＿＿＿
ダ「……」
いきなり黙りこんだあたしの気持ちを悟ってか、また抱きしめてくれたダリューン。
温かい首筋に顔をうずめてあたしは静かに泣いた。
すがりつくことしかできない。
手を伸ばしても伸ばした先がどこか分からない。
不安しか感じない。
ダ「泣きたいだけ泣けば良い。俺がお前の目になってお前を支えてやる」
その言葉が嬉しくて、また涙腺が緩んだ。
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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´；ω；｀) (2018年8月29日 17時) (
レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます！続編どんどん書いていきますよ！お楽しみにっ！ (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん！いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲き | 作成日時：2016年4月10日 19時
