二度と言うな ページ5
本当に美しい短剣だ。
純金の柄に白金色の金属でできたツタが巻きついている。
柄先と
カ「緑玉石は邪気や妖気をはらう退魔の力を持つという。お守りとして持っていなさい」
セ「…勿体なき御言葉。大切にします」
王室を出ると、扉の側にジャスワントが立っていた。
セ「………………話、聞いてたでしょ」
ジ「申し訳ありません」
セ「何で謝るの」
目を伏せるジャスワントの頭を軽く叩いた。
セ「変に気を遣うな。………あたしと貴方は同じような境遇なんだから。ほら、肩の力抜きなさい」
ジ「………貴女は優しすぎる。敵同士でもそうやって気を許してはなりません」
セ「どーして説教されてるのかね、あたしは。………分かったよ。気を付ける」
安堵したように目を細めるジャスワント。
セ「(…貴方だって人の事言えないじゃないか、とは言わないでおこう)」
ジ「私は盗み聞きしに来たのではありません。マヘーンドラ様から貴女へ、伝言を伝えるように仰せつかっております」
…?宰相閣下から伝言を?
ジ「神前決闘に出る代理人が決まりました」
!!
セ「ラジェンドラ王子側は誰が代理人になったの?」
ジ「……黒衣の騎士ダリューン殿が任命されました」
セ「!?ダリューンがっ!!?」
あの馬鹿王子……!
よりによって自分の国の命運を他国の者に託したというのか……!!
ガーデーヴィ王子はさぞ激昂しただろうな。
セ「まあダリューンなら誰が相手だろうと負けやしないけど…………で、ガーデーヴィ王子側は?」
息をつめた。
視線をそらして黙りこむ。
セ「?どうしたのジャスワント?」
ジ「…………貴女の師匠殿は…命を落とすかもしれません」
セ「………………………………………………は?」
あまりに突然な。
セ「冗談はよしてジャスワント。ダリューンは負けない。負けるわけない。絶対に負けるわけない!死ぬわけないッッ!!!!」
ジ「っ、ぐ…」
セ「二度とそんなこと言うなッ!!!」
彼の胸ぐらを掴み上げた。
自分よりずっと長身のジャスワントが足を浮かせるほど、高く掴み上げた。
マ「!!おやめくださいディアル殿!」
廊下の曲がり角からマヘーンドラ宰相が駆け込んできた。
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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます!続編どんどん書いていきますよ!お楽しみにっ! (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん!いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲き | 作成日時:2016年4月10日 19時