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新たな仲間と遠征の終わり ページ38

ナ「そんな長期間、あの横着者が辛坊できるはずがない。三年程度なら我慢しようという気にもなるだろうさ」


メ「………では我々は三年後、ルシタニアから王都を奪還し終えていなくてはなりませんね」


セ「そうだな」




三年後、おそらくラジェンドラは国内を完全に平定しきっているだろう。


また軍を率いてパルスに攻めこんでくる可能性が高い。


その時までが、王都奪還の期限となる。








ア「……ジャスワント」



少し離れたところでこちらの様子を伺っていたジャスワント。



事の成りゆきを静かに見守っていたようだが、心情はいかばかりか。






ジ「…俺はシンドゥラ人です。もしまたパルスとシンドゥラが戦う事があれば、俺は故郷についてパルスと戦います」





まっすぐな言葉は、この場の空気を少しばかり重くさせた。


彼がシンドゥラ人なのは事実。意見する権利は、我々にはない。





気まずい沈黙を破ったのは、またもジャスワントの言葉だった。





ジ「ですが…俺は三度にわたって殿下に命を救っていただきました。その借りを返させていただくまで………
……アルスラーン王太子殿下。このジャスワント、改めて貴方にお仕えすることを誓います」






ひざまずき、殿下を一心に見つめるジャスワント。



彼の言葉を嬉しく思った殿下は表情を華やがせ、以外に思った他の者達は顔を見合わせた。









ジャスワントが仲間になることを知っていたセレンは微笑み、様子を見物していた。








ギ「その様子だと、こうなる事を知っていたようだな」


セ「ん?ふふ、まぁね。彼を陣中にかくまったのはあたしだもの」


メ「え!?そうだったんですか!?」






驚くメルシィと妙に確信めいたギーヴの問答を軽く流しつつ、殿下とジャスワントに視線を向ける。





多少のいさかいがあったとはいえ、すぐに打ち解けるだろう。


パルスに慣れるのは時間がかかりそうだが、賢い彼の事だ。そう悩む事にはなるまい。






シンドゥラ流の剣術も魅力的だ。これは即戦力になるに違いない。



早く帰って色々教えてほしいな。









夜明けと同刻、新しい仲間を得た一行はカーヴェリー河を越え、パルス領に戻ってきた。




ペシャワール城塞にて一行の帰還を心待ちにしていたキシュワード将軍は、皆の無事に喜び、新たな仲間を歓迎した。





軍の無事を祝して宴をひらいたパルス人達は、しばし故郷の懐かしさに酔いしれたとの事である。

重大布告と熱→←新王、不可侵を誓う



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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます!続編どんどん書いていきますよ!お楽しみにっ! (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん!いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲き | 作成日時:2016年4月10日 19時

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