宴の前菜 ページ32
その日の夜、何のつもりかラジェンドラが宴を開いた。
まだ頭痛がするし体もだるい。
動きたくない。が、
壁や花瓶に飾られた色彩豊かな花々。
それらに負けぬ艶やかな衣装を身にまとった貴族達。
豪勢な食事は、全てあり得ないほど赤い(全部香辛料の色らしいが、妙に毒々しい色だから食欲が失せてくる)。
シ「ガツガツガツ))」
アル「うひゃー…スッゴいね」
ナ「シェンヴおぬし、よくそんなに食えるな…………ファランギース殿もか」
シ「ふふーにうぇまふよぉ?ふぉひかあいへぉ((普通に食えますよ?少し辛いけど」
口の周りを真っ赤にしてニカッと笑う。
何故普通に食えるのだ。理解できん。
ギ「ファ、ファランギース殿。そのドロリとした液体は………何ですかな?」
引き気味に尋ねると、「羊の脳を煮込んで作ったカレーだそうじゃ」と彼女はさらりと返した。
アル「の、脳って……;;;;」
セ「…………………美味しいの?;;;」
ファ「独特な味わいじゃ。これはこれでいけるぞ」
こちらのカレーは真っ黄色。
ドロッドロなそれを見ていると、さらに食欲がわかなくなる。
どうしてシンドゥラ料理はこんなのが多いのだ!!((怒
サ「こうなっているだろうと思いましたわ」
セ「っわ!サリーマ!?」
サ「こんばんはディアル。体の調子はもう良いのですの?心配しましたよ」
孔雀のような美しい碧海色の礼服をまとったサリーマが現れた。
やはり女神の落とし子と呼ばれるだけあって宝石や絹服が似合うなぁ。
ギ「ぉぉおこれは滅多にお目にかかれぬ美人だ!ディアル、その方は知り合いか?」
セ「あたしの友人でガーデーヴィの正妻、サリーマ姫だよ」
この一言で皆が一時的に硬直したのは言うまでもない。
サ「パルスで出されるお食事と似た味のものをご用意しました。どうぞ召し上がれ」
セ「助かったよサリーマっ、さすがあたしの友達!!」
きつく抱きしめると、サリーマはくすぐったそうに身をよじらせ、花のような笑みを浮かべた。
とても清々しい笑顔だ。
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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます!続編どんどん書いていきますよ!お楽しみにっ! (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん!いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲き | 作成日時:2016年4月10日 19時