検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:59,501 hit

猫の正体 ページ28

言い様のない不安。



今まで味わったことのない恐怖。






徐々に強まっていく痛み。






サ「___ディアル!?大丈夫ですの!?」


セ「っ!サリーマ………ラジェンドラ王子…」


ラ「ディアル殿!いかがなされた。顔が真っ青だぞ」





サリーマとラジェンドラ、シンドゥラ将軍が数人が部屋に入ってきた。




ぽたぽたと石床に汗が落ちる。




蒼白な顔と裏腹に、その額や首筋には汗が吹き出していた。


腕や足は冷えきっている。なのに身体の芯は焼けつくように熱い。






セ「(………おかしい。…この熱、この頭痛は……一体、何だ…………)」




戦の後のようなひどい疲労感を感じ、彼等にうながされるまま壁に寄りかかった。




ラ「よくぞ奴を捕まえてくれた。感謝する……後で医者を手配しよう」





…今すぐ手配してくれよ。





ラ「サリーマ殿も。よく決心してくれたな」


サ「いいえ。後の始末はお任せしてよろしいですね、殿下」


ラ「無論だ」





満面の笑みを浮かべたまま、ラジェンドラは猫の体を軽く蹴った。





「ぅ……………ぅう……」


ラ「やあお目覚めかな?兄上」


「ッ!!!?」






猫=ガーデーヴィは上半身を起こし、あたしとサリーマとラジェンドラを交互に見る。



状況についてこれないと言いたげな顔が、しばらくして醜く歪められた。




ガ「どういうつもりだ!!まさかこの俺をラジェンドラの犬めに売ったのではあるまいなサリーマ!!」


サ「ええその通りです」


ガ「ッこの売女め!!よくも夫である俺を裏切りおったな!!恥を知れ!!!」






バシィーーーーーーーーンッ!!





サリーマの手がガーデーヴィの頬を強く打った。





ガ「なっ…何をするかーーーっ!!」



サ「何をするかですって?風が頬をかすめただけではありませんの、廃王子様。何ならそこにいる黒獅子戦士(シール・シャルダーン)様に平手打ちしてもらってもよろしいのですよ」



ガ「ッな」





おい…勘弁してくれサリーマ。さらに気分が悪くなる。




あたしが本気で平手打ちしたら多分変形するぞ、そいつの顔。








ガッ





ラ「!」



サ「売女………裏切り……?それを、貴方が言いますの………?」




震える手でサリーマはガーデーヴィのターバンを掴みあげた。




物静かな彼女が珍しく興奮している。




小麦色の頬に涙がつたった。

美姫の怒り→←猫



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます!続編どんどん書いていきますよ!お楽しみにっ! (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん!いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:咲き | 作成日時:2016年4月10日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。