猫 ページ27
サ「この扉の奥には、捕虜を拷 問するための監 禁部屋がありますの」
セ「監 禁部屋?にしてはかなり小さいな」
サ「古のシンドゥラ国王が、敵国の将軍や王公貴族を捕らえた際に使った部屋ですから、そこまで大きい部屋にする必要がなかったのかと。
滅多に使われなかったため、もうこの部屋を覚えている者はいないと思います」
……だからラジェンドラも気付かなかったわけか。
サ「…貴女には部屋の中にいる猫を引っ張り出していただきたいのです」
セ「猫、ね。上手い比喩だ」
サ「猫で充分でしょう。守ってやっても礼は言わない。持ってきた食事を当たり前のように食する…………もう散々ですわ。
そろそろ腐肉を食事にしてもいいのではないでしょうか」
溜め息まじりに、吐き捨てるように呟く彼女の横顔は、本当にうんざりしているようだった。
カチャリ
ギイイィ…
古びた扉が耳に痛い雑音を放つ。
部屋の奥に、"猫"は大の字になって横になっていた。
セ「ひどい悪臭だ。よくもまあ熟睡できるな」
サ「先程飲ませたサトウキビのお酒に睡眠薬をたっぷり溶かしておきましたので」
セ「なるほど((呆」
傍にあった手枷やら足枷やらを付けた後、鎖でその体をがんじがらめに巻き付けた。
セ「この猫どうする?」
サ「ラジェンドラ殿下に引き渡します。将軍方を呼んできますので、しばらくここで待機していてください」
…
セ「……まだなのかサリーマは」
まだ3分ほどしか経っていないが、この悪臭がする部屋の中で待てというのはさすがに堪える。
早く来てくれ。
…
セ「………っん」
セ「(何だ……?この鈍い頭痛は…)」
ズキン
ズキン……
セ「疲れが出てきているのか…?」
頭に軽く手を当て、首をかしげる。
にしては妙な痛みだ。
言葉に例えにくい。まるで……そう、何かが身体の外へ外へ移動しているような………?
そんな例えが頭をよぎった時、ぞくりと寒気がした。
"あの殺気"を放ったときも、確か同じような感じが…_______
ズキン
ズキン
セ「や、だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ出てくるな!!!」
自分の腕を抱き、あたしはその場にうずくまった。
ズキン………ズキンッ…………
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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます!続編どんどん書いていきますよ!お楽しみにっ! (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん!いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲き | 作成日時:2016年4月10日 19時