愛しいから、いじめたくなる ページ23
月光に照らされた彼女の姿を見て、俺は言葉を失った。
……………………ッ////////
いつもは露出控えめのはずだが、踊り子の服を着ている今のセレンは、さながら黒い蝶。
黒紫のヴェールが風になびいてヒラヒラとはためいている。
その黒い服やヴェールが白い肌をより引き立たせていて、余計に目が離せなくなった。
セ「…………ぅ」
ダ「!」
じわ、とセレンの目元が濡れる。
セ「ひぐっ………ぅぅう、ダリュ……ン…………っ!((ポロポロ」
ダ「!?な、何故泣く……!!?」
何故か急に泣き出す弟子。
俺はそんなに変な顔をしていたのだろうか?いや、さすがにそれはないか。
セ「馬鹿!ばかばかばか!ばかダリュ…………ッッ!!」
ダ「……は」
ペチペチと包帯を巻いた腕や胸を叩くセレン。
口は馬鹿を連発しているが、その目は自分を心配していた。
ダ「………心配してくれたのか?」
キッと涙の溜まった目で睨んできた。
しかしそれは肯定を意味するものであり、迫力は皆無。むしろ愛らしい。
部屋に引き入れると俺は口を覆うヴェールをはぎとった。
ダ「ほら、これで目を拭きやすくなっただろう。はやく涙を「いらない!泣いてないもん!」………セレン」
セ「いらないったらいらない!泣いてないったら泣いてない!」
………何だこの見た目と中身の違いは。
こんなに大人びた姿をしているのに、中身は完全に強がりを言う子供ではないか。
______………可愛い奴。
ダ「セレン」
セ「だから泣いてな……っ!//」
細い腰を抱き寄せて、自分に寄りかかるように仕向ける。
だが小生意気なことにセレンは抵抗した。
思い通りにさせるものかと思っているのがバレバレだ。
……………少し驚かせてやろう。
セ「ダリューン何を………ぁ、やっ///」
傷を隠していた布をずらし、肩口に口付ける。
セ「………っん、ちょ、とお!……////」
ダ「……お前、弱いところ多いな((にや」
セ「だめ、やめッ…………うぅ////」
首筋、鎖骨、耳のうら。
優しく、ゆっくりと時間をかけて口付ける。
そして目元。今にも零れ落ちそうな涙に吸い付いた。
ひゃ、と小さな悲鳴をあげて身を縮ませるセレンが愛しくて愛しくて、ついいじめたくなる。
俺はこくりと喉を鳴らした。
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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます!続編どんどん書いていきますよ!お楽しみにっ! (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん!いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲き | 作成日時:2016年4月10日 19時