決闘中 ページ11
メルシィside
ギ「あれは人間ではないな」
ファ「うむ………人の皮をかぶった獣はどこにでもいるが、あれはまさしく猛獣じゃ」
ア「ダリューン…………ッ」
ダリューン様なら、人間相手に負けるはずない。
でもあれはファランギース様の言う通り猛獣だ。
血を大量に流していても、ダリューン様に鼻を折られかけても、痛みに顔をしかめる事がない。
メ「………おかしい」
シ「同感だ。あんなに出血してて平気な顔する人間なんかいるはずねぇ」
決闘を見つめる皆の表情は険しかった。
固唾を飲み込み、溶解毒を振りかけたい衝動を押さえ込む。
見守る事しかできないのはかなり歯がゆい。
バ「ぬぅん！！！」
バハードゥルは両眼をギラギラさせてダリューン様に襲いかかる。
ガンッ
ガギッ、ガァンッ！！
………ビキッ
ダ「！！！」
圧倒的な力の前では、どんなに手入れされた剣でも鉄くずに等しい。
バキン、と刃が折れ、ダリューン様愛用の黒兜は遠くへ飛ばされた。
ア「ダリューン！！」
………まずい。
非常にまずい。
明らかにダリューン様の方が劣勢だ。
ガ「やれバハードゥル！その騎士を八つ裂きにし、愚かなパルス人共にここまで出向いた事を後悔させてやるのだ！！」
嬉々として叫ぶガーデーヴィに私はありったけの殺気を向けた。
メ「(黙れ。吠え犬めが)」
だが愚王子の顔から笑みは消えない。
このまま斬首してやろうかと短剣の柄に手を伸ばすと、兄者がガシッとそれを掴んだ。
シ「馬鹿野郎。ダリューン様が戦ってる最中にそれを無駄にするような事考えんな！」
メ「………っ」
シ「大丈夫。必ず勝つ、だろ？」
メ「……………………うん」
重々しくもうなずき、私は再び視線をダリューン様に向けた。
…
ダリューンside
炎の熱と汗でにじむ視界。
左肩と顔の右半分がひどく痛む。
自分の鼓動、絶え絶えな息、炎の唸り。
それらが妙にぼんやりと聞こえる。
ダ「(………まさかガーデーヴィがこんな隠し玉を持っているとは……計算外だ)」
＿＿＿＿このままでは負ける。
何か策を講じなければ、俺は死ぬだろう。
ダ「(俺はこんなところで終われない………あやつを置いて逝くわけにはいかない………！)」
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ニーサc(プロフ) - うぅ写真今までのやつもこれも見れない…(´；ω；｀) (2018年8月29日 17時) (
レス) id: f6874ea2f4 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - 咲柄 沖さん» ありがとうございます！続編どんどん書いていきますよ！お楽しみにっ！ (2016年5月16日 20時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
咲柄 沖(プロフ) - 咲きさん！いつも楽しく読ませてもらっております。この度は7章突入おめでとうございます。ハラハラドキドキ更新がひたすら来るのを待ちわびていました。勿論続編も読ませて頂きます。これからも更新頑張ってください (2016年5月15日 22時) (レス) id: 7ae002d76e (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - ダ「頼むぞジーニアス……師として顔向けできん」 (2016年5月15日 19時) (レス) id: 11427c146d (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン(プロフ) - ジ「分かりました。言わないでおきましょう。クスクス」 (2016年5月15日 5時) (レス) id: 0ab8e72630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲き | 作成日時：2016年4月10日 19時
