38. 初雪 ページ38
Aside
おそらく今日は
今年一番の寒さだろう。
日々の訓練で
鍛えられた兵士達でも
今日は外に出ようとしなかった。
そんなことはお構いなしに、
兵舎裏でちょうどいいサイズの
木箱を見つけた私は
そこに腰を掛け
本を読む。
昼間だというのに
温かさなんてものは
全く感じられない。
感じるのは
肌にピリピリと刺さる
冷たい風だけ。
だが、
物語が終盤に差し掛かり
真剣に読み進める私は
寒さの事なんてすぐに忘れた。
「おい、こんなクソ寒い日になにしてんだ」
いきなり声をかけられ
顔を上げると
そこには、怪訝な目でこっちを見る
リヴァイ兵長。
兵長は何も言わず
私に向かって右手を伸ばす。
その手は私の顔に
どんどん近づいてくる。
『兵長…？』
寒さのせいだろうか、
体が思うように動かない。
私は両手で本を握りしめ、
右手を伸ばす兵長を
見つめる事しかできなかった。
兵長の手がもう少しで私の顔に触れる。
しかし、
その手は目の前を通り過ぎ
私の頭の上へ行くと
何かをはらい落した。
ﾊﾞｻｯ
『…雪？』
私の頭から落ちたのは雪だった。
「お前が、
頭に雪が積もってることも
気付かないバカだったとはな」
私は空を見上げた。
空から小さな白い雪が
静かに落ちてくる。
いつから降ってたんだろう。
本に夢中で全く気付かなかった。
「おい、なにしてる。中に戻るぞ。」
『あ、はい。』
私は急いで兵長の後を追った。
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Ester(プロフ) - YUUKOさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいです。更新頑張ります！ (2019年7月31日 12時) (
レス) id: 3a0388d4ae (このIDを非表示/違反報告)
YUUKO - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。頑張って下さい！ (2019年7月30日 21時) (レス) id: 5afe16bc4a (このIDを非表示/違反報告)
Ester(プロフ) - リヴァイ好きさん» ありがとうございます、更新頑張ります！ (2019年7月19日 13時) (レス) id: 27b2c4c282 (このIDを非表示/違反報告)
リヴァイ好き - 面白い！！！！！ 続き楽しみにしてます 早く更新願っています (2019年7月18日 22時) (レス) id: dc53e000da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ester | 作成日時：2019年7月18日 5時
