3. 飴と鞭 ページ3
リヴァイside
「巨人の捕獲作戦、リヴァイは賛成だよね」
「知るか。
俺は忙しいんだ、帰れ。」
「１０ｍ級が捕獲できれば最高だな〜
前は、運ぶ時に縄が切れてしまったから
今回は頑丈な捕獲網を準備しようと思うんだ！」
「聞いてるのか、クソメガネ」
今にも壁外へ飛び出しそうな勢いで
話すハンジに
Aは紅茶の入ったカップを渡す。
「おい、そんな奴に茶を出す必要はない」
『いいじゃないですか
これで少しは静かになります。』
しかし、その効力は一瞬で
紅茶を飲み終えたハンジは
また捕獲作戦について話し始めた。
ハンジの話は無視して
手元の書類に視線を戻すが
集中できやしない。
『ハンジさん
団長は許可してくれたんですか？』
「それがまだなんだ。
巨人の捕獲はリスクが大きいからね。
だからAの意見を聞きに来たんだ。
どう思う？この作戦。」
ハンジはAを信頼しているようで
巨人の実験や捕獲作戦について
よく相談しに来る。
Aも一度は冷たくあしらうのだが
結局いつもハンジに手を貸してしまうのだ。
『では、その捕獲網のことですが、、、』
と、Aは今回もまた
ハンジの作戦を指摘し始めた。
「なるほど、さすがAだね。
その点を考え直して
もう一度エルヴィンに交渉してくるよ！」
ハンジはAの手を取り
目をギラギラさせながらそう言うと
急いで部屋を出て行った。
ﾊﾞﾀﾝｯ
『...朝から元気な人ですね』
「あいつを甘やかすんじゃねえ。
お前がそんなだから
あのクソメガネはこの部屋に
居座るようになっちまったんだ。」
実際にAが
この部屋で仕事をするようになってから
ハンジがこの部屋にいることが増えた。
おかげで仕事がはかどらねぇ。
『意見を求められたので答えただけです。』
「アイツの作戦が通ったら
また仕事が増えるぞ。
覚悟しておけ。」
Aは『はいはい、わかってますよ』と
少し不機嫌そうに口を尖らせながら言い
何もなかったかのように作業を再開した。
Aは、普段は冷静で
感情が読み取りにくいが
たまに年相応の表情を見せる時がある。
警戒心の強いアイツが
そんな顔を見せるのは
きっと親しい人間にだけなのだろう。
俺もその一人なのだと思うと
少し嬉しい気持ちになる。
黙々とペンを動かすAをちらりと見て
俺もまたペンを手に取り
書類に視線を戻した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 380人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ester(プロフ) - YUUKOさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいです。更新頑張ります！ (2019年7月31日 12時) (
レス) id: 3a0388d4ae (このIDを非表示/違反報告)
YUUKO - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。頑張って下さい！ (2019年7月30日 21時) (レス) id: 5afe16bc4a (このIDを非表示/違反報告)
Ester(プロフ) - リヴァイ好きさん» ありがとうございます、更新頑張ります！ (2019年7月19日 13時) (レス) id: 27b2c4c282 (このIDを非表示/違反報告)
リヴァイ好き - 面白い！！！！！ 続き楽しみにしてます 早く更新願っています (2019年7月18日 22時) (レス) id: dc53e000da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ester | 作成日時：2019年7月18日 5時
