独り歩きは寂しい ページ40
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“スタァ”での楽しかったひとときも終わりを告げ、AはKnightsの宿泊しているホテルの713号室へと帰って来ていた。
『はぁ……もうすぐだよね【GIC】。私なんかに本当に出来るのかな……』
ベッドに大きく寝転びながら、手を上に突き出すと、Aは不安を吐露する。
「寂しいか……?A」
ベッドの下の方から、なにやら聞き覚えのある声が聞こえる。段々、その声は近づいてきている気がする。
『独りは…寂しい……です』
上に突き出していた手を徐々に下ろしていく。すると、その手を掴むように手が横から差し出される。
「だよな。独り歩きは寂しいよな。意地っ張りだって泣きたくなるよな。セナにだって反論したくなるよな。
でも、安心しろ、A。おれたちが絶対にサポートする。おれたちがお前をテッペンまで連れて行ってやるよ。あの時のおれみたいに悲しい思いは絶対にさせない。守るから……だから、頑張ってくれ、A」
Aの腕をそっと掴んでいる手には、彼の瞳と同じ翡翠色のゴムが巻かれている。
いつもと違って、髪を下ろしているレオ。
そんなレオは悲し気な顔を浮かべながらも、口角を少し上げて、落ち着きながら話す。
そんなレオを見て、Aはずっと聴きたかった質問をしてみることにした。
『レオさんは……なんであの時、司くんたち率いるKnightsと戦おうと思ったんですか?』
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作者名:梓詩織 | 作成日時:2022年10月12日 21時