35 ページ37
「ああ、申し訳ない。撮影でアテンドをして欲しいらしくて、広瀬に頼んだのだけれど適任がいると言ってね」
なるほどそういう事か
職場でオタクを隠していないとこういうメリットがあるのね
でも推しに職場バレってどうなのよ
なんて冷静に分析している場合では無い
「佐倉に任せて大丈夫かな?」
『はあ、まあ、多分』
「歯切れ悪いな〜。まあ、佐倉なら大丈夫だ』
そう言って私の肩をポンと叩く上司
振り返ると目をキラキラさせた千賀くんと
ニコニコな宮田くんと表情からは何も読めない彼がいた
「前にも撮影で会ったよね」
「凄い偶然だね」
大きな瞳を輝かせてこちらを覗き込む2人
覚えていてくれた事にテンションが上がる
胸がきゅううううんと音を立てたのが分かる
『偶然じゃないよ。』
「え?」
『偶然じゃない、''運命''』
テンションが上がりすぎたのか
頭がおかしくなっていたのか
どちらなのかは分からないが
いつか亜美が口にした言葉
「かっけぇぇ!」
「あ!じゃあ運命girlだ」
「すげぇ!運命girlだ!」
と返す2人に余計に恥ずかしくなる
なんだ運命girlって
じゃあってなんだじゃあって
私を置いて大いに盛り上がる2人
チラリと彼の顔を盗み見すると
喉仏が上下に揺れて楽しそうに笑う
彼が笑っていることが嬉しくて私も笑う
110人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆき | 作成日時:2023年2月4日 21時