【ハリーポッター】ペット以上知り合い未満。【親世代】【シリウス・ブラック】 (ページ20)

今日:12 hit、昨日:21 hit、合計:26,495 hit

‪𝐃𝐚𝐲‬18 ページ20

マダム・ポンフリーに火傷治しを塗ってもらったおかげで跡形もなく火傷の跡は消え、包帯を外すことが出来た。

本当はまだ友人に疑われているから猫の姿で出歩くなんてしたくなかったけれど、なんだか必死に猫を探すブラックの姿を見たら放っておけなくなった。私を探して管理人に見つかったらなんだかこっちも心苦しくなるだろうしと誰に言われた訳でもないのにいいわけもしておく。

案の定、今日もブラックはフラフラと猫を探していたようだった。

「にゃあ」

ブラックに姿を見せ、近くに寄ればブラックは笑顔で私を抱く。なんて嬉しそうな顔。

「しばらく見ないから探した」

知ってると言わんばかりに、にゃーと返しておく。

「お前包帯取れたんだな」

私の前足を触り、ブラックが言う。

「昨日、スリザリンの奴が同じとこに包帯巻いてたのを見たんだ。

同じとこ怪我するなんてありえないが、もしかしてお前の飼い主なのか？」

……そう来るとは思わなかった。

飼い主と疑われているなんて。

じゃあ朝私を見てきたのは、飼い主なのにそんな猫知らないなんて言う意地悪女だと思ったって事？

それが不服でジトっとした目でブラックを見つめる。

「なんだその目は……違うのか」

伝わる訳もなく、ブラックは勝手に項垂れた。

猫相手に色んな表情を見せてくれるブラックが面白くて、私も楽しんでいた。

「本当に可愛いな」

ブラックが優しく私を撫でる。

「もう居なくなるなよ、お前は俺にとって大切なんだから

そばに居てくれないと不安になるぐらい好きなんだ」

ドキドキした。

私に言われている訳では無いのに。

自惚れるな、私に言ってる言葉じゃない。

けれど、どう考えても口説いているようにしか聞こえない。

……相手はあのいけ好かないブラックよ？

なんで意識してしまっているの？

私はただの猫なのに。

高鳴る胸に蓋をするように私は猫のフリに徹した。

.