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Tear16 ページ18
「ド、ドラコ…？」
Aは焦ったように僕を呼ぶ。
なぜ、軽蔑するなんて思ったんだろうか。
「軽蔑なんてしない。
僕は、君のその涙が好きだ。
初めて会ったときから、なんて美しいんだろうって思った。本心だ。
それに、ご家族のために秘密をどうにか守ろうとしたAが好きだ。」
「…え？」
Aはびっくりした声をあげる。
「Aが好きだ、一人の女性として」
もう一度、言えばAは顔を真っ赤にした。
おずおずと彼女は口を開く。
「こんな私が好きなの？」
「お人好しで、家族思いで、誰にでも優しくて、笑顔が似合う。
そんな君だから好きなんだ」
その頬には花が流れる。
その花は、もうサンダーソニアではなかった。
僕でさえ、花言葉を知っている花。
…ヤドリギだった。
「私も、ドラコが好きよ」
その言葉で僕は、彼女の頬に手をやる。
彼女も、目を瞑る。
僕の唇が彼女の唇に重なった＿＿＿。
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作者名：ソイみるく。 | 作成日時：2023年8月23日 22時
