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Tear9 ページ11
ある日のことだった。
「…………っ…」
いつもの場所に行くと、小さな肩を震わせて、Aが泣いていた。
今日は風があって、涙代わりのAの花たちは宙を舞っていく。
｢出会った時と同じだな
何があったんだ？｣
彼女の横に座る。
「.........いえ、なんでもないの」
彼女は笑う。
だが、いつもの満点の笑顔とは違って、ひきつった笑顔を浮かべていた。
｢……そんな顔しておいてなんでもないことないだろ｣
彼女は押し黙ってしまった。
｢……言いたくないなら言わなくていい｣
そう言って彼女の肩を引き寄せる。
彼女はびくりと震えたが、拒否はしなかった。
彼女が泣き止むまでしばらくそのままでいた。
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作者名：ソイみるく。 | 作成日時：2023年8月23日 22時
