不安定 ページ43
ザッ……
病魔から距離をとった3人が身構える。
「どうシた……?コの器ヲ壊す気にナッたノか……?」
にやついた笑みを崩すことなく、病魔は口を開く。
と、
「貴方はそのような呪いごときにはやられないのでしょう?
自分の発言には責任を持っていただきたいですわ」
フワリ、と微笑んだリアンが槍から手を離した。
彼女の様子に気をとられたクルスに、少しばかりの隙が生まれる。
たった数秒のそれで、
ダァンッ!!
クルスは両腕を抑えられ、祠の床へ背中から叩き付けられた。
抑えているのは勿論フェイルとガイア。
案の定、体を捩って逃げ出そうとするクルスの体へリアンは更に馬乗りになる。
そして、滑らせるように彼の胸へ両手を重ねた。
「力はお貸しますわ。あとは……貴方次第ですわよ、クルス!!」
名前を呼ばれた事からか、クルスの抵抗が弱まる。
そこに、
「“ザオラル”ッ!!」
リアンの両手からクルスの胸へ、
腹へ、
体の隅々まで、
淡い光が流れ込んだ。
「ぐガァワあぁッっ!?」
体を駆け巡る魔力に、クルスの体が大きく強ばった。
思わずガイアとフェイルの拘束が弛んだ事を見極めたクルスは、息も絶え絶えにリアンを突き飛ばし3人から飛び退く。
「はァッ……ハァっ……」
胸元を抑え、荒い呼吸を繰り返すクルスは濁った瞳でリアンを睨み付けた。
「貴様……何ヲしタ……!?」
憎々しげな口調に臆する事も無く、リアンは彼に向き直った。
「魔力で命を吹き込んだだけですわ。成功確率は不安定ですけれど……」
ギリ、と音が聞こえる程に病魔は歯を食い縛る。
「まだ繰り返すよね!?」
確認を求めて声を張るフェイルに、リアンが頷く。
「勿論ですわ。彼が目を覚ますまで、何度でも繰り返しますわよ」
その言葉をきっかけに、フェイルとガイアが再び地を蹴った。
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CrazyBook(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!亀更新かもしれませんが、気長に読んでください! (2018年9月7日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
かな - 始めて読んだけれど内容がとても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2018年9月6日 23時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 星咲夜空さん» 最高のコメントありがとうございます!更新は不定期ですが、オリキャラと共に話を続けていきます!気長に読んでください! (2018年6月9日 17時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - ドラクエ9の小説は少ないし、内容も面白いので、更新が嬉しいです!頑張って下さい! (2018年6月9日 17時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ねこさん» コメント、ありがとうございます。非定期の亀更新ですが、気長に読んでください! (2018年3月11日 23時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月5日 5時