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(YOU SIDE)
こんな落ち込んでいる場合じゃない。
ミツが帰って来る間に美味しいご飯を作ってあげないと。
バスルームへと向かい、気持ちを切り替える為にもシャワーを浴びキッチンへと向かった。
カウンター式の広いキッチン。
調理器具は結構揃っているけど、あまり料理はしないんだろうなって事が伺える。
『すごい。 圧力鍋まである・・・・・
彼女とか料理する子、今まで多かったのかな?』
とりあえず切り込んだ野菜やお肉に調味料と次々圧力鍋に入れ、肉じゃがを時短で作る事が出来た。
圧力鍋ってホント魔法の道具だよね・・・・・
鯖の味噌煮も美味しく出来上がり、味噌を買ったついでにお味噌汁も仕上げ、ご飯も炊飯器のスイッチ入れてあるし、あとはミツが帰って来るのを待つだけ。
『・・・・・。』
ミツが戻るまでの時間、あまりにもやる事がなくてその度に嫌な事ばかり頭に浮かんでしまう。
『ダメだ・・・・・ 何もしてないと嫌な事ばかり思い出しちゃう』
リビングにあるテレビを付け、綺麗に並んでいるDVDやBlu-rayの中からLIVE DVDを1本取り出しデッキの中へと入れた。
自動で流れ出した映像へと目を向けると、そこには大きな会場で歓声に包まれたアイドルとしてのミツが映し出される。
初めて大きな会場で歌っているミツを見た私。
そこに映し出された彼は、キラキラと輝いていてまるで別人だった。
『私、こんな凄い人にお世話になっているって事?』
ミツがジャニーズに入ってデビューをしたっていう話は、風の便りで聞いてはいた。
だから、たまに外で彼を目にする事もあった。
いくら昔のクラスメイトだからって、私とミツは決して親しい仲とかそういうワケではない。
ミツが優しすぎるから。
困った人を放っておけない性格って事を知っているから。
リモコンの停止ボタンを押し、これ以上アイドルとしてのミツを見る事が出来なかった。
何故だか分からない。
ミツにすがりたいって気持ちと罪悪感が私の中で複雑な思いとして入り混じる。
また静まり返った部屋の中、ソファの上に横たわり目を閉じた。
ミツが帰って来るまでの間、少し横になりたい・・・・・
色々な事が有り過ぎて、今の私は心身ともに疲れ切っていた。
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大好き - 北山さんの恋人になってみたい (2022年1月23日 6時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:める | 作成日時:2017年3月3日 4時