『初恋～Ki story～』 (ページ23)

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太輔「でもさ、偶然にも程があるよな。
小学生ん時に別々になったきりだろ？
良くあんな場所で再会出来たなって思わない？」

「マジそれ。
俺もアイツもたまたま入った映画館だったワケよ。
あの時、同じ映画選んでなかったら再会なんてしてなかったからさ。
この出会いになんか意味あるのかなと思って」

太輔「初恋の相手って言ったっけ？」

「あー････そう。
俺が初めて好きになった子なんだよね。
ヤバくね？」

太輔「お前がそのままその子の事奪っちゃえばいいじゃん(笑)」

「やめろよ。
アイツの今の現状考えたら、そんな事出来ねぇし」

太輔「別に今すぐじゃなくてもいいじゃん(笑)
初恋って実らないって昔良く聞いたけど、それも覆せるんじゃないの？」

藤ヶ谷は笑いながら楽屋を出て行った。

そう言われると俺も初恋は実らないって言葉、昔良く聞いたわ。
確かに周りの友達でも初恋の人と付き合ったって話、聞いた事ない気がする。

玉「おはようございます～」

ちょうど楽屋入りした玉に「おはよう」って声をかけ、そうだ･････玉にもちょっと聞いてみるかな。

玉「ミツ、おはよう～」

テーブルに荷物を置き、玉は俺の隣に腰を下ろした。

「なぁ玉･･･一つ聞きたい事あるんだけどさ。
玉って、初恋実った系男子？」

玉「何？急にどうしたの(笑)」

「いや、ちょっと思い出してさ？
初恋って実らないって昔良く聞いたから」

玉「俺、初恋小学校の時だったけど、伝える前に撃沈したよね。
俺の事好きかと思ってたのに、別のヤツが好きだったっていうオチ(笑)」

玉も初恋はダメだった派か。
やっぱりなかなか実った話って聞かねーな。

まっ、とりあえず今は考えるのヤメるか。
まずはAのメンタル回復が最優先だからな。

あー、早く仕事終わらせて帰りたくなったわ。