その6 ページ6
こうしてバーボンこと安室透とのファーストコンタクトは済んだわけだ。が。
あれ以来、ポアロに行くと女子高生に恋愛マスター!とか呼ばれて、挙句恋愛相談を持ちかけられるようになってしまった。なんでやねん。
でも恋愛相談に乗る私を梓も安室さんもニコニコ見てくるので邪険にできない。
やっと女子高生がみんな帰って、梓と2人になれたのに。
「ごめーん、今日は私、もう上がりなんだ」
とか言って帰ってしまった。…なんだよぅ。
いつも通りオレンジジュースをちびちび飲んでいると、お客さんが減って余裕が出たらしい安室さんが隣に来た。…来たな。
「Aさん、これどうぞ。試作品のケーキなんですけど、よかったら。」
「わ、いいんですか?ありがとうございまーす!」
貰えるもんはもらう。
そして、私は偽名は使わない。思わぬところでボロを出したりしてしまわないよう、ターゲットの前ではなるべく自然体。だから性格も変えたりしない。
「…あなたはとても美味しそうに食べてくれるんですね。」
「だって美味しいですもん」
「はは、ありがとうございます。…敬語、いりませんよ、苦手なんですよね?」
「…わかっちゃう?じゃぁ、タメ口で。」
そこからはなんて事のない話。と言っても、ほとんど安室さんから私への質問ばかりだが。
どこに住んでいる、とか。普段は何している、とか。
私からの質問は好きな食べ物とか、その程度にしている。逆に家の場所やポアロ以外は何しているのか、なんて聞いた日には疑われる要因になってしまいかねないから。
まだ彼がクロと決まったわけではないけれど、なるべく彼の素性を明かすような質問はしない。それが私の鉄則。
「そういえば、今やってる新作の映画、あのアクションの…見た?」
「ああ、あれですか。見たいんですけどまだなんですよ」
「あれ面白そうだよね、アクションって結構好きでさ!でも私、ぼっち映画館ってした事なくて一歩踏み出せなくてー!」
ここで餌を下げて見る。遠回しに誰かと行きたい、一緒に行きたいと。
釣れろ…!
「そうなんですか?僕でよければ、一緒に行きませんか?」
釣れた!!
嬉しくて思わず満面の笑みになってしまった。
「本当!?嬉しい!ねぇ、じゃあいつ行こうか!」
気が変わらないうちに素早くスケジュール調整。無事に2人で映画に行く約束を取り付けた。
ここまではとても順調。一ヶ月もかかってしまったけれど、2人で出かけられるようになれば勝ちは確定だろう。
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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます!!なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…!ありがとうございます(;ω;) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…!もっと更新できるように頑張ります!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…!よろしくお願いします! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリス | 作成日時:2018年6月8日 9時