384) 何もわかっていなかった1 (YN side) ページ34
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翌日
眠れない一夜を過ごして出社すると、部屋のソファーにはだらしない顔で寝ているドンヘがいた。
ユノ「おい！起きろ。まさか昨日からここで寝てた訳じゃないよな！？」
ドンヘ「当たり前だろ。いくら室内でも凍え死ぬわ！お前からの電話が気になって、早く目が覚めちまっただけ。…で、何があった？兄貴絡みか？」
ユノ「ああ…」
ドンヘに昨夜の出来事を話すと、たいして驚いた様子も見せなかった。
ドンヘ「なるほどな。もう社長に感づかれたか。今回ばかりはフラッと帰ってくる感じじゃないんだな。」
ユノ「ああ。家政婦さんに聞いたら、自宅の兄貴の部屋も綺麗に整頓されてるらしいし、会社の専務室も秘書も気がつかないうちに整理されていた。秘書のキムさんの話では、あのリコールあたりから様子がおかしかったらしい。」
ドンヘ「その頃からここを出る整理をしてたって事か。リコール騒ぎが直接の原因だとは思えないけど、何か心当たりはあるのか？」
ユノ「いや…これと言って心当たりはないんだが…騒ぎの後珍しく兄貴が食事会をすっぽかしたんだよ。代打で俺が出たんだけどその後電話があって…」
ドンヘ「ほぅ…あのジニョクさんが大事な会食をすっぽかすなんて珍しいな。で？なんて？」
ユノ「怒りにまかせて怒鳴ってしまって。そうしたら、お前も親父と同じだなって。」
ドンヘ「…」
ユノ「今、思えば様子が変だった。お前はお前の道を進めって。」
ドンヘ「そう言ったのか？」
ユノ「ああ…」
いつもおちゃらけているドンヘが真面目な顔をして考え込んでいる。
ドンヘ「ひとつの可能性として調べていたんだ。ジニョクさんは何らかの理由でお前に会社を託したいと思ってるんじゃないかって。」
ユノ「俺に？何故？」
ドンヘ「まあ、聞けよ。ひとつの可能性って言っただろ？ジニョクさんが何かの事情でお前に会社を任せたいと思ってるなら、何かしら動いてると思ったんだ。でも大口の株主にもうちの取締役にも接触してる様子は無いし、社内の腹心にも何も告げてない。」
ユノ「信頼してるキム秘書にすら告げてないんだからそうだろうな。でもキム秘書の話だと、個人でやっていた投資や車も整理したらしい。」
ドンヘ「身辺整理して姿を隠すって事は、それなりの理由があるんだろう？本気で行き先に心当たりは無いのか？兄弟なんだから、友達とか思い出の場所くらいはわかるだろ？」
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作者名：mari
| 作成日時：2020年3月8日 14時
