383) 久しぶりの2 (You side) ページ33
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A「ちょっ！危ないから前見てっ！」
チャンミンの腕をバンバン叩いて前を向いて貰うものの、一瞬にしてオーラが殺気だっている。
A「素敵な絵を描く人でね。とても優しい人だったよ。なんだか…ちょっと知り合いに似てるような気がして。」
チャンミン「だからって相手は知らない男だろ！どんな奴かもわからないのに、ホイホイ会いに行くなんて！ 」
A「大丈夫！本当に素敵な紳士だったから。自分の車で送るのは不安だろうからって、一緒にバスを待ってくれるような人だよ。」
チャンミン「…」
A「また…会えるといいんだけど…」
私がまた自分の好きな絵を描けるようになったら、ジニョクさんに見て貰いたい。
何か訳アリだと察したのか、チャンミンはそれから何も言わなくなった。
チャンミン「武が住む家もまだ決めてないんでしょう？アンタそれどころじゃないでしょう？」
A「あ…」
武が日本に帰ったことですっかり忘れていた。私のところに転がりこもうと思ってたらしいが、あまりの狭さに諦めたようで。
代わりに住むところを探さなくてはいけない。
A「あー…頭がついてかない。」
ユノから連絡も無い。丘の上のジニョクさんはユノのお兄さんでは無かったけど、そうであってくれたほうが良かったのかもしれない。
家族が失踪。
ユノの気持ちを考えると、いたたまれなくなる。何も出来ない自分がもどかしい。
でも今は、目の前の仕事をきっちりとこなさなきゃ。ユノにこれ以上心配かけないように。
チャンミン「もうすぐ着きますよ。」
シウォンさんの豪邸の駐車場には、見慣れない車が停まっていた。おそらく西村さんとユリちゃんが来ているのだろう。
ユリちゃんに、どんな顔して会えばいいのか…一気に緊張する。
チャンミン「榊さんももう着いてるみたいですね。」
チャンミンはスマホを確認すると器用に駐車場に車を停めた。
チャンミン「何も悪いことしていないのだから、堂々としててください。」
私の緊張を察したのか先回りしてクギを刺されてしまった。
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作者名：mari
| 作成日時：2020年3月8日 14時
