229)気遣い<You side> ページ29
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A「ジェジュン、どこにいくの？」
ジェジュン「ご飯。昼も食べてないだろ？」
A「…」
シウォンさんが休憩とらないのに、私が休憩出来るわけもなくて。
ジェジュン「美味いパスタの店見つけた。」
カンさんも一緒だからと安心していたのに、私たちを店の前で降ろしたカンさんは
「後で迎えに来ますから。ジェジュン、Aさんに迷惑をかけるなよ！」
そう言って走り去ってしまった。
店の人も慣れた様子で、2階の個室に案内される。こんな深夜まで営業しているような店じゃないのに。
A「…凄いV.I.P.待遇だね。」
ジェジュン「これでも俺、アジアのスターだから(笑)Aだけは最初から俺を特別扱いしなかったけどな。」
通された席に向かい合って座る。
ジェジュンの大きな目がこちらに向いているのがわかるから、顔をあげられない。
ジェジュン「カルボナーラ好きだろ？ここのは絶品！」
好きだけど…。こんな時間にそんな重たいもの食べたら大変な事になっちゃう。
A「ううん、でも…」
ジェジュン「撮影始まって随分痩せただろ？体にいいものを食べて。無理しなくていいけど。」
A「…うん。ありがとう。」
忙しすぎて食事も取れなくなってきた私を、心配して誘ってくれたんだ。
なんだか色々と気を回してした自分が、急に恥ずかしくなる。
結局、オーダーはジェジュンに任せることになって、まるで予め注文していたかのように、料理は直ぐに運ばれてきた。
ジェジュン「ここは高級料理店でもないけど、なんでもうまいよ。」
自分だって撮影中は少食のくせに、テーブルの上には食べきれない程の料理が並んだ。
A「わぁー！みんな美味しそうだね！」
ジェジュン「残ったら持たせて貰うから、少しずつ色んなものを食べな。」
ジェジュンの優しさがありがたくて、胸が熱くなる。
緊張して食欲も無かった筈なのに、食べ始めたら不思議と次が欲しくなる。
ジェジュンの言うとおり、料理はどれも美味しかった。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
