197)ごめんね<You side> ページ47
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車の中は皆が無言でお通夜のようだった。
まっすぐ前を見て運転するユリちゃんと、助手席でタブレットをずっと見ているチャンミン。
私は後部座席で窓の外を見ながら、ジェジュンの事を考えていた。
《うちの事務所に来ないか？》
宿題の答え合わせをした時に言われたきり、あれからジェジュンは何も言わない。
やっぱりただの社交辞令だったのかな？
まめに来ていたメールも、全く来なくなった。
このまま仕事仲間で、いい友達として彼を支えられたらいいとそう思っている。
会社に到着して玄関先で私たち二人をおろすと、ユリちゃんは車を駐車場に置きに行った。
チャンミンは持ち帰った荷物をひとりで抱えて中に入ろうとするから
A「チャンミン、半分持つよ。」
私が差し出した手をじっと凝視しながら
チャンミン「ヌナ。事を荒立てないように静観していることが、余計に事を荒立てる事になることもあります。」
A「え？」
チャンミン「そんなことしてると大事なものを無くしますよ。ああ、重い！早く持ってください！」
A「え？あ、うん。」
チャンミンから半分荷物を受けとると、エレベーターに乗り込んだ。
A「チャンミン…あの…よくわからないけどごめんね？」
チャンミン「よくわからないのに何で謝るんです？」
A「だって、怒ってるから…」
チャンミン「相手が怒ってたら誰にでも謝るんですか。あなたは。」
上昇するエレベーターの中。チャンミンはほとほと呆れた顔で私を見た。
チャンミン「まぁ、ヌナらしいっちゃらしいですけどね。」
A「なにそれ？」
チャンミン「バカが付くほどお人好しって事です。ああ、怒ったらお腹がすきました。ヌナの奢りですよ。」
エレベーターの扉が開いて、スタスタと歩いていってしまう。
ちょっと待ってよ！足の長さが全然違うんだからね！
結局チャンミンが何で怒っていたのかもよくわからず、その夜はチャンミンの胃袋を満足させるのに散財する羽目になった。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
