163)ジェジュンの真意<You side> ページ13
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西村「お前、絵が上手いんだな。絵の勉強でもしてたのか？」
A「えっと…昔、ちょっとだけ…」
確かに。夢中になって書いていた絵コンテは、ラフ案の範疇を越えていた。
目の前の真っ白な紙を見たときに、頭の中にある光景をここに描き写したいと思った。
何年も使っていなかっけど、手に馴染んだ鉛筆を持った瞬間、勝手にサラサラと動いたんだ。
西村「高城。なんか困ってる事があったら遠慮なく俺に言えよ。俺は榊からお前達を預かってるんだ。」
A「はい。ありがとうございます。」
西村「本社の人間を唸らせるくらいのものを作ろうぜ。くだらない妬みなんて気にすんな。」
A「西村さん…」
西村さんが部屋を出ていって、慌てて榊さんに電話をかけた。
中国に出張してて忙しいと思うんだけど。あんないい加減なおじさんキャラに見えて、実は英語も韓国語も中国語もペラペラで。
あまり自分の事を話さない榊さんの私生活やキャリアは、本当に謎だった。
pull pull …
A「もしもし？榊さん、電話もらってて…」
榊「おいっ！大丈夫なのか！？」
電話にでるやいなや、大きな声で被せられた。
A「え？榊さん？」
榊「シムから何度も着信入ってた。」
A「あ… 」
榊「お前、奴からの宿題は解けたのか？」
A「はい…でも、解いたのはチャンミンで…」
榊「シムを連れて行って正解だったな。お前、煮詰まると周りが見えなくなるから。客観的に見れる奴がいて良かった。」
A「…はい。」
榊「A。もしもまだジェジュンの事を吹っ切れて無いのなら、戻ってきてもいいんだぞ。撮影は西村とシムに任せろ。」
A「いえ…大丈夫です。最後までやらせて下さい。全てが出来上がった時にジェジュンの真意がわかるような気がするんです。」
榊さんの電話を切って鉛筆を持ち直し、ジェジュンの言葉を思い出していた。
《言ったでしょ。俺の人生のうちの数年間。彼女との思い出はここだけじゃない。》
私と付き合っていた4年間。一緒に外を歩くことも出来なかったし、家族や親友にも紹介出来なかった。
私がやりたかったこと…
思い付く限り、夢中になって書き始めた。
気がつけば陽はすっかりと落ちていた。
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164)圧力<CM side>→←162)絵コンテ<You side>
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
