095)好きな気持ち<You side> ページ44
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後の契約は秘書に任せる。そう言って安藤様は帰っていった。
深々と頭を下げる私たちに
安藤「次に会う時からはパートナーだから。遠慮は要らない。」
そんな言葉を残して。
ユンホさんが安藤様の事を慕う理由がわかった気がする。
安藤様の秘書さんとその場で契約を交わす。
サインをする時、ユンホさんの手は震えていた。
ドンヘさんも朴さんも本当に嬉しそうで。
「契約書は確かにお預かりしました。では、私はこれで。」
秘書さんを見送ると、契約書を手にしたユンホさんが脱力したようにイスに座り込んだ。
A「ユンホさん?」
ドンヘ「おい(笑)大丈夫か?」
ユノ「…足が震えたよ。」
かなり緊張していたのか、足に力が入らないみたいで。
でも表情はとても穏やかだった。
ドンヘ「俺はこれから朴さんと飲みに行くからよぉー!悪いんだけどお前たちタクシーでホテルに帰って?」
ユノ「え?だったら俺たちも…」
ドンヘ「Aさん、疲れてるだろ?早く連れて帰ってやれよ。」
ユノ「あ、ああ…そうだな。」
※
※
※
ひとりで帰れるから!という私の意見は却下された。
ユンホさんとタクシーに乗ってホテルに戻って、お互いの部屋のドアの前。
心の準備もなく急に二人きりになってしまったら、急に緊張してしまって口数も少なくなる。
ユノ「……」
A「……ユンホさん。今日はお疲れ様でした。契約上手くいって良かったです、本当におめでとうございます。」
ユノ「うん。ありがとう。あのさ…」
A「はい?」
ユノ「いや…何でもない。ゆっくり休んで。明日はお宅まで送ってくよ。」
A「ありがとう。ユンホさん…じゃおやすみなさい。」
ユノ「…おやすみ。」
ユンホさんに小さく頭を下げて自分の部屋に入った。
昼間見えていた東京の光景は美しい夜景に変わっていた。
ため息が出るほどの美しい夜景を独り占めしてるというのに。
A「寂しいな…」
そう思うのは部屋が広すぎるからだけじゃない。
《私は…チョンさんたちの夢をお手伝いをしたいです!》
安藤様にそう言い放った時、私は完全に自分の気持ちを自覚した。
私は…ユンホさんが好きなんだ。
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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時