090)俺たちの夢2<YN side> ページ39
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安藤「君たちを今日、ここに連れてきた理由がわかるかい?」
Aさんの口を通じて出る安藤様の言葉に俺達は顔を見合わせた。
安藤「はははっ!まぁ、そう固くならずに。ここの料理はどうだった?」
ドンヘ「とても美味しかったです!」
ドンヘが乗り出しぎみに即答して笑いを誘った。
朴「はい。シェフの創作料理なんでしょうか?」
ユノ「なんと言うか…とてもここが温かくなりました。」
そういって自分の胸に手を当てた。
安藤「ここは彼がひとりでやっているんだ。君たちと変わらない年頃だよ。」
ユノ「そうですか。あの…」
安藤「気になるかい?彼との関係が。愛人でも隠し子でもない。彼は事故で両親を失ったんだ。高校3年生の時だった。進学を諦めて僕の経営するカフェの面接に来たんだけどね。」
通訳するAさんの事を気遣ってか、安藤さまはゆっくりと話をしてくれた。
安藤「僕はアルバイトでも面接は必ず自分でする。その時に必ず聞くことがある。君の夢はなんだい?って。彼の夢はシェフだった。有名なシェフになりたいんじゃない。心を温かくする料理が作りたいと彼は言ったんだ。どうやら彼の夢はかなったようだね。」
言葉が出なかった。
なんとか安藤様を説得出来る材料を…と思っていた自分を恥じた。
安藤「君たちの夢は?」
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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時