089)俺たちの夢1<YN side> ページ38
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安藤様は俺達に何を伝えたいんだろう?
意味なく美味しい食事をご馳走してくれているだけのようには見えなかった。
お世辞抜きでとても美味しかった料理もデザートまで食べ終えて、一服した頃だった。
安藤「さて。では仕事の話をしようか。」
全員の表情が急に引き締まる。
Aさんも俺の言うことを聞きもらすまいと真剣に耳を傾けていた。
ユノ「安藤様。本契約の前に、お話しておきたい事があります。」
もうこうなったら包み隠さず全てを話すしかない。
安藤「何かな?」
ユノ「弊社との契約に、安藤様にとってリスクになるかもしれない事が発生しました。その話を聞いてから契約するかどうかをご判断いただけませんでしょうか?」
Aさんの通訳に安藤様も耳を傾ける。
安藤「いいだろう。話してみなさい。」
ドンヘ「こちらをご覧下さい」
事前に用意していた日本語で書かれた資料を安藤様の前に置いた。
ユノ「あらためてお話したことは無かったと思いますが…私は◯◯コーポレーション現社長の次男です。」
安藤「…」
ユノ「この度、時期社長になる私の兄と、◯◯財閥のひとり娘のソヨンさんとの婚約の話がまとまりました。事実上の業務提携となります。」
安藤様は表情を変えないまま、Aさんの通訳した言葉を聞き入っている。
ユノ「財閥絡みの会社と業務提携をすると言うことは、少なからず我が国の政治に業績が左右されるという事になります。有利に働く事もありますが、当然リスクも考えられます。」
ユノ「過去には関係の深い政治家が逮捕された事で、関連していた会社の株価が下落した事もありました。」
安藤「…」
ユノ「今日は、その事をお話させて頂きたいと思いお伺いました。業務提携の話はまだ公式には発表されていません。でも、必ず近いうちに発表されます。リスクを負う可能性がある以上、契約の延期や中止もやむ無しと思っています。」
しばらくの沈黙。
じっと俺の目を見ていた安藤様が口を開いた。
安藤「君たちを今日、ここに連れてきた理由がわかるかい?」
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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時