あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ25)

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「…私?」

声、震えてるかな。

私の問いに

櫻井くんは深く頷いた。

「そう。Aさん」

ここで、躊躇ったら。

今まで以上に

注目を浴びちゃう。

何を言われるのか

何をされるのか

わかるはずもないけど。

意を決して

前に出た。

櫻井くんに手招きされて

彼と松本くんとの間に立たされる。

駄目だよ、櫻井くん。

二人に挟まれて

立ったりなんかしたら

ますます皆からの視線が…。

席に座ってる

理沙と目があった。

珍しく

ちょっと不安そうな表情。

そんな理沙に

私はどういう顔をすればいいのかわからなくて

目をそらしてしまった。

でもまたすぐに

今度は別の人と目が合う。

二宮くん…。

にやっ

ふと

二宮くんがクイっと口角を上げた。

それは、何?

…勇気づけ?

またも対応の仕方に困って

目をそらした。

「皆はさ」

櫻井くんが口を開く。

「俺の勝手な想像だけど。

違ってたら許して?」

何を言い出すんだろう。

「一番納得いかないのが、

ベル役のことだと思うのよ」

教室が

静まり返った。