男しかいない異世界へ飛ばされました。 (ページ2)

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一話ページ2

昨夜セットしておいたアラームが鳴った。夢の世界とはおさらばし重たい瞼を無理矢理開ける。むくりと上半身だけ起こすがまだ意識が朦朧としており、今の状況を正確に判断できない。

意識がようやく覚醒し、部屋の壁に掛けてある時計を見ようとしたら

「......は...？ここどこっ！？」

知らない場所にいた。

「えっ、夢？えっ、？」

日本ではないような風景が目の前に広がっている。俺は砂浜にいるが、海の色がまず違う。普通は青や水色だが、この海は黄色だ。これはそもそも海なのだろうか？

「後ろは森林……。」

海の反対側には森林があり、木と木の間は深い闇で覆われていて、どこか薄気味悪さを感じさせる。

「まじで、ここどこ……？」

答えは返ってこないままその問いは空中へ消えた。半分涙目で今の状況を理解しようと頭を働かせる。

不意に後ろから足音が聞こえた。振り返ってみると、長身の男が立っていた。

「っ！？……あの、」

「ねぇ、君。見慣れない顔……。どこから来た？」

話しかけようとした瞬間、長身の男が喋った。男は不信感と探究心が入り混じった表情をしている。だが、圧倒的に不信感が強かった。

俺は急いで出身地を言おうとした。なぜなら言わないと殺されると思ったからだ。肺に空気を入れ込み深呼吸をして、言葉を発した。

「わかるかどうか知らないが、北海道の*覇野(はの)町で生まれ育った。」

「……ホッカイドウ、ハノマチ？……どこ、そこ。そんな地方ない。」

困惑している。北海道もカタコトだし、そんな地方はないと言っている時点でここは日本ではないと確信した。

「随分遠くにあるから多分わからないんだと思う。俺もここがどこだかがわからない。ここ、どこだ？」

男はじっと俺を見た。まるで嘘をついているか見抜こうとしているみたいに。だが生憎俺は嘘はついていない。

しばらく経ってから、男は少し信用したみたいだった。

「ここはビーチェニッシュウで三大町の一つ……。別名、男しかいない町……。」

「んん？？？」

＊…作者がつくった架空の町。